研究課題/領域番号 |
05402006
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研究機関 | 神奈川大学 |
研究代表者 |
西村 純 神奈川大学, 工学部, 教授 (40013619)
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研究分担者 |
山上 隆正 文部省宇宙科学研究所, 助教授 (40013718)
吉田 賢二 神奈川大学, 工学部, 助手 (90260984)
田村 忠久 神奈川大学, 工学部, 助手 (90271361)
鳥居 祥二 神奈川大学, 工学部, 専任講師 (90167536)
笠原 克昌 神奈川大学, 工学部, 助教授 (00013425)
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キーワード | 超新星 / 宇宙線 / 加速機構 / 電子 / シンチファイバー / 気球 |
研究概要 |
昨年度の装置に以下の改良を加え、平成6年9月に宇宙科学研究所三陸基地で3回目の気球観測を行なった。 1.イメージ・インテンシファイヤーを2台にして、x,y両方向のファイバーを独立に読み出す。 2.装置上部のconverterのシンチ・ファイバー層の厚さを4層にして、電子選別能力を高める。 3.取り込み可能なシャワー画像のデータ量を32kBに増やし、高エネルギーシャワーを観測する。 4.LEDを用いた、on-board calibration systemを搭載する。 観測は高度35〜39kmで約10時間行なわれ、10〜500GeVのエネルギー領域で約50,000イベントのシャワーを観測した。今回の観測では、特にエマルションとの対応を確実に行なうため、重原子核の観測を行なうモードを設けた。このモードでシンチ・ファイバーと原子核乾板の双方で観測された重原子核の飛跡を用いて、両者の相対的位置関係がファイバー径(1mm)以内の精度で求められている。この結果、シャワーについても容易に対応が可能となり、電子選別における信頼度が向上している。 現在、シンチ・ファイバーで得られた画像データのワークステーションによる自動解析を行ない、電子選別とエネルギー測定を行なっている。シミュレーションから求めた、電子起源のシャワーと陽子起源のシャワー形状差を用いることにより、これまでの結果と矛盾しない電子の観測量を得ている。平成8年度の9月にはCERNのSPSを用いて、10GeVから100GeVの電子による装置のcalibrationを行なうことが認められているので、現在その準備も平行して行なっている。このcalibration実験の結果を待って、当初の目的であった数100GeVまでの電子のエネルギースペクトルを得る予定である。これらの成果は、宇宙研、宇宙線研での幾つかの研究会で発表するとともに、国際会議での発表も行なっている。
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