研究課題/領域番号 |
05402010
|
研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
寺内 暉 関西学院大学, 理学部, 教授 (00079667)
|
研究分担者 |
坂上 潔 関西学院大学, 理学部, 実験助手 (90215608)
加藤 弘 関西学院大学, 理学部, 教育技術主事 (30111040)
佐野 直克 関西学院大学, 理学部, 教授 (00029555)
|
キーワード | 誘電体 / 構造相転移 / エピタキシ- / 薄膜 / MBE(分子総エピタキシ) |
研究概要 |
本年度は、購入した単結晶薄膜育成ユニットやRHEED(反射高速電子線回折)などを用いてバッファー層およびそのバッファー層を実際に適用した多層膜を作製した。表題の誘電体薄膜結晶を作製するには良質の下地(バッファー層)がぜひとも必要である。本年度はまず、C_<60>をバッファー層として用いる場合を想定して、C_<60>膜の成長条件を最適化した。その結果現段階で得られる基板の中ではGaAs(111)Aが最適であり、基板温度としては80℃が成長条件としては適当であった。作製されたバッファーは面内においても高い配向性を持っており、いわゆる単結晶ライクになっている。さらに作製中に行ったRHEED観察から、表面は(少なくとも面内方向は数百Aにわたって)比較的平坦であることがわかった。また、そのバッファー層の誘電的性質に与える影響を評価するため、C_<60>単層膜の相転移を調べた。その結果、薄膜の相転移は固体(バルク)のそれとはかなり異なっており、基板上に製作した薄膜が基板に引っぱられているという影響が強く現われていると考えられる。また、C_<60>バッファー層を実際に用いてC_<60>と銅の多層膜の作製を試みた。この場合銅の成長時に結晶性が悪化することが分かった。これは積層するにしたがって、RHEEDパターンがリング状に変化していくことから知られるが、これは、銅やC_<60>が結晶方位を一定に保てなくなる事に相当すると考えられる。したがってC_<60>上の金属の成長に関しては、まだまだ最適化すべき条件があると考えられる。
|