研究課題/領域番号 |
05402012
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研究種目 |
一般研究(A)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小宮山 進 東京大学, 教養学部, 教授 (00153677)
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研究分担者 |
平井 宏 東京大学, 教養学部, 助手 (30251325)
白木 靖寛 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (00206286)
吉岡 大二郎 東京大学, 教養学部, 助教授 (30114713)
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キーワード | 量子ホール効果 / 強磁場下2次元電子系 / エッジ状態 / サイクロトロン共鳴 / エッジ・マグネトプラズマ共鳴 / 非局所性伝導 / エッジ励起状態 / サイクロトロン発光 |
研究概要 |
1.三重障壁の二重共鳴トンネル伝導による抵抗の量子振動を見出すべく、3組の量子ポイトンコンタクトを持った試料を作成し、それぞれのコンタクトのゼロ磁場における抵抗の量子化を確認することにより試料が計画通り働くことを確かめた。 2.1.の研究目的において当初無視していた一電子の帯電効果が重要なことが理論的考察及び予備的実験からに明らかになった。そこで、帯電効果を制御する際重要となる輸送エッジ電流とホール電流の比率を明らかにするために、エッジの効果まで取り入れた自己無撞着の電流分布の計算を初めて行った。 3.量子ホール効果状態の二次元系から予想されるサイクロトロン発光を検知するために高感度光検出器をGaAs/AlGaAsヘテロ構造を用いて試験的に作成した。達成された感度はGe検出器と比べ得る程に優れているが、目的のためにはまだ充分ではなく現在改良を行っている。 4.量子ホール効果のブレークダウン現象を長さの異なる小さな試料で観測し、現象が非局所的なものであることを初めて明らかにし、その機構について新たな知見を得た。 5.量子ホール効果状態の説明に用いられるバルク状態に基づく描像とエッジ状態に基づく描像の関係を明確にするために、輸送現象における電流分布の定義を検討した。その結果、一般に輸送電流を外界に対する全電子の応答電流とする観点とフェルミ面上電子の確率の流れとしてとらえる観点が可能であり、それぞれが実質的に異なった二つの電流分布を与えることを示した。又それら二つの典型例が量子ホール効果のバルク描像とエッジ描像であることを示した。
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