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1994 年度 実績報告書

強磁場下2次元電子系に生ずるエッジ状態の分光学的手法による研究

研究課題

研究課題/領域番号 05402012
研究機関東京大学

研究代表者

小宮山 進  東京大学, 教養学部, 教授 (00153677)

研究分担者 平井 宏  東京大学, 教養学部, 助手 (30251325)
白木 靖寛  先端科学技術研究センター, 教授 (00206286)
吉岡 大二郎  東京大学, 教養学部, 助教授 (30114713)
キーワード化学ポテンシャル・エッジ電流 / サイクロトロン共鳴吸収 / ホール電流 / 量子ホール効果状態 / 局在と非局在状態
研究概要

1.前年度に引続き、三重障壁の二重共鳴トンネル伝導による抵抗の量子振動を見出すべく、より低温での実験を行うために希釈冷凍機を組み込んだ超伝導磁石のクライオスタットシステムの立ち上げを行った。理論的な側面として、前年度の仕事を拡張し、複数チャンネルの量子ホール効果状態における化学ポテンシャル・エッジ電流とホール電流の比率を計算した。
2.量子ホール効果状態の二次元電子系から予想されるサイクロトロン発光を検知するために極めて高感度の光検出器をGaAs/AlGaAsヘテロ構造を用いて作成した。前年度に比べて、より高易動度の基板の量子ホール効果状態を用い、かつ有効長17cm(幅50μm)程度の極めて長いデバイスを作成することにより、高感度で知られるGe検出器に比べても、その千倍から1万倍の感度をもつ極めて高感度の検出器を作成することに成功した。今後、GaAs/AlGaAsヘテロ構造中二次元系の量子ホール効果状態からの発光を実際に検出すべく、現在サンプルホルダーを準備している。
上記の研究過程の副産物として、n-InSbからの準単色のサイクロトロン発光を強磁場中の二次元電子系に照射することにより、i)照射光の光子エネルギーが2次元電子系のランダウ準位間隔に等しい時にのみ(サイクロトロン共鳴吸収による)光伝導信号が生ずること、ii)かつその光伝導信号強度は、量子ホール効果状態のプラトー磁場領域でのみ極めて大きく、かつプラトー領域内で3本のピーク構造をなす。(1本はプラトー中心に対応し、2本はプラトーの両脇に対応する)ことを見出した。さらに、iii)上位のランダウ準位に生成した電子の寿命が数10μm〜数msと極めて長いことを時間分解測定から明らかにした。これらの事実は量子ホール効果状態における局在と非局在状態に関して重要な情報を与えると考えられる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] H.Hirai,S.Komiyama: "Ratio between edge and bulk currents in teh quantum Hall effect" Physical Review B. 49. 14012-14015 (1994)

  • [文献書誌] H.Hirai,S.Komiyama,K.Nakamura and F.Nihey: "Phase-coherence length in a two-dimensional electron gas at high magnetic fields" Physica B. 184. 34-37 (1993)

  • [文献書誌] S.Komiyama,H.Nii: "Nonequilibrium electron distribution and nonlocal resistance in a two-dimensional elctron gas at high magnetic fields" Physica B. 184. 7-16 (1993)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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