研究課題/領域番号 |
05402015
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
深尾 良夫 東京大学, 地震研究所, 教授 (10022708)
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研究分担者 |
ゲラー ロバート 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (40170154)
山田 功夫 名古屋大学, 理学部, 助教授 (60022670)
武尾 実 東京大学, 地震研究所, 助教授 (00197279)
島崎 邦彦 東京大学, 地震研究所, 教授 (50012951)
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キーワード | 広帯域地震計 / トモグラフィー / マントル / コアマントル境界 / 西太平洋 |
研究概要 |
1.ロシア観測点保守維持:本年度は9月1日から15日までカムチャッカ観測点の点検を行い、不調だった水平動地震計を修理し、データ収録システムのソフト的な改善を行った。以後、順調にシステムは稼働し、データは定期的に光磁気ディスクの形で送られてきている。 2.ミクロネシア観測点保守維持:本年度は5月28日から6月1日までと11月29日から12月6日までの2回にわたってポナペ観測点の点検を行い、観測壕のかぶりを深くし電柱の撤廃に伴うケーブルの地下埋設化を行った。本観測点は設置以来、ごく一時期を除きずっと順調に稼動している。 3.全マントルP波トモグラフィー:本年度はFukao et al.(1993)よりもデータ点を5倍にして全マントルP波トモグラフィーを行い、特に西太平洋全域で「マントル遷移層によどむスラブ」のより鮮明なイメージを得た。現在はこの結果に対する種々の信頼度チェックと分解能チェックを行っている。一方、1994年のデジタル波形記録を用いて相関法によってP-PP波到達時刻差を測定し、全マントルP波トモグラフィーで分解能の高い地域ではモデルと測定とがよく一致すること、逆に分解能の低い地域では一致が悪いことを確かめた。これは今後、トモグラフィーの分解能をあげるのでP-PP波到達時刻差が有望であることを示す。 4.表面波群速度測定:ポナペ島及び父島において西太平洋の最も古い海洋底(>160Ma)と最も若い海洋底(〜0Ma)のレイリー波群速度を測定した結果をGeophys.Int.に投稿し、現在レフリーのコメントに従って修正中である。 5.CMB近停P波トモグラフィー:従来よりもP波及びPCPデータを5倍にふやして、CMB付近の水平不均質構造を求めた。特に、新しいモデルを提出するよりも用いたデータから確実に抽出できるイメージを明らかにすることに焦点を絞り、東南アジアと中南米の低速度異常と北極域の高速度異常を見い出した。
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