• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1997 年度 研究成果報告書概要

西大平洋地球深部の地震学的探査

研究課題

研究課題/領域番号 05402015
研究種目

一般研究(A)

配分区分補助金
研究分野 固体地球物理学
研究機関東京大学

研究代表者

深尾 良夫  東京大学, 地震研究所, 教授 (10022708)

研究分担者 ゲラー ロバート  東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (40170154)
山田 功夫  名古屋大学, 理学部, 助教授 (60022670)
武尾 実  東京大学, 地震研究所, 助教授 (00197279)
島崎 邦彦  東京大学, 地震研究所, 教授 (50012951)
研究期間 (年度) 1993 – 1995
キーワード広帯域地震計 / トモグラフィー / マントル / コアマントル境界 / 西太平洋
研究概要

本計画は、世界最大の沈み込み帯である西太平洋域の地球内部構造を解明するために、(1)カムチャッカに新しい高性能地震観測点を建設し、(2)ミクロネシア観測点のバ-ジョンアップを行ない、(3)これまでに得られた記録から地震学的トモグラフィーを行ない従来より鮮明な地球内部イメージを得ること、が目的であった。以下に、成果の概要を報告する。
(1)カメンソコエ観測点の建設
平成5年度中は観測点建設のための様々な準備(観測システムの構成部品の入手・組立及び調整、相手側研究者との連絡、相手側研究者による観測壕の建設など)を行なった。平成6年度は、建設された観測壕に地震計システムを設置し運転を開始したが、機材の輸送トラブルにより地震計1成分の部品が足りず2成分観測で出発せざるをえなかった。平成7年度にようやく残り1成分も動きだし、現在は順調に稼働を続けている。データは光磁気ディスクの形で送られてきている。
(2)ミクロネシア観測点のバ-ジョンアップ
平成5年度、ミクロネシア連邦ポナペ観測点において別途予算で高性能地震観測を開始した。この間、ミクロネシアでは全島に光ケーブル電話回線を敷設する工事が進められた、その結果、平成6年度には電話事情が格段に改善され、日本からの電話呼出しによる地震計のシステムコントロールや準オンラインでの主要地震記録の取り込みが可能となった。平成7年度は、観測壕のかぶりを深くし引込用電柱を撤廃してケーブルを埋設化した。ポナペ観測点は計画期間中総じて順調に稼働し良好なデータを得ることができた。
地震学的トモグラフィーによる地球内部解明
全マントルP波トモグラフィー(平成5年度):
Fukao et al.(1992)が行なったよりもデータ数を5倍にして全マントルトモグラフィーを行ない、特に西太平洋全域で「マントル遷移層によどむスラブ」のより鮮明なイメージを得た。一方、1994年のデジタル波形を用いて相関法によってP-PP波到達時刻差を測定し、全マントルP波トモグラフィーで分解能の高い地域ではモデルと測定とがよく一致すること、逆に分解能の低い地域では一致が悪いことを示した。
表面波群速度測定(平成6年度):
ポナペ島及び父島において西太平洋の最も古い海洋底(160Ma)と最も若い海洋底(`0Ma)のレイリー波群速度を測定し、従来実測された如何なる地域よりも早い群速度及び遅い群速度を得た。
コア・マントル境界P波トモグラフィー(平成7年度):
グローバルなP波及びPcP波到達時刻データを用いて、コア・マントル境界付近の水平不均質構造を求めた。特に、新しいモデルを提出するよりも用いたデータから確実に抽出できるイメージを明らかにすることに焦点を絞り、東南アジアと中南米の低速度異常と北極域の高速度異常を見いだした。

  • 研究成果

    (11件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (11件)

  • [文献書誌] 大林政行、 桜井太郎、 深尾良夫: "走時インバーションによるマントル3次元構造" 地学雑誌. 104,7. 934-940 (1995)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] Obayashi,M. and Y.Fukao: "P and PcP travel time tomography for the core-mantle boundary" J.Geophys.Res.102. 17825-17841 (1997)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] Fukao,Y.: "Single-force representation of earthquakes due t landslides or the collapse of caverns" Geophys.J.Int.122. 243-248 (1995)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] Sugioka,H.,Y.Fukao et al.: "Anomalously Early First Arrivals to the J-array fro Teleseismic Evnets" J.Phys.Earth. 44. 687-699 (1996)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 近藤恵子、 山田功夫: "GPS受信器を利用した刻時装置" 地震. 2,48. 429-431 (1995)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] Geller,R.J.and N.Takeuchi: "A new method for computing highly accurate DSM synthetic seismograms" Geophys.J.Int.123. 449-470 (1995)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] Obayashi, M.and Y.Fukao: "P and PcP travel time tomography for the core-mantle boundary" J.GeoPhys.Res.102. 17825-17841 (1997)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] Obayashi, M.and Y.Fukao: "PcP travel time tomography for the core-mantle boundary" J.GeoPhys.Res.102. 17825-17841 (1997)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] Sugioka, H., Y.Fukao and S.Sakai: "Anomalously Early First Arrivals to the J-array from Teleseimic Events" J.Phys.Earth. 44. 687-699 (1996)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] Fukao, Y.: "Single-force representation of eartquakes due to landslides or the collapse of caverns" GeoPhys.J.Int.122. 243-248 (1995)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] Geller.R.J.and N.Takeuchi: "A new method for computing highly accurate DSM synthetic seismograms" GeoPhys.J.Int.123. 449-470 (1995)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より

URL: 

公開日: 1999-03-16  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi