研究課題/領域番号 |
05402020
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
澤田 順弘 島根大学, 理学部, 助教授 (80196328)
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研究分担者 |
赤坂 正秀 島根大学, 理学部, 助教授 (20202509)
高須 晃 島根大学, 理学部, 助教授 (00183848)
飯泉 滋 島根大学, 理学部, 教授 (80032639)
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キーワード | リソスフェアー / 島孤 / 下部地殻 / 地殻の組成的改編 / 日本海の形成 / 西南日本 / 中生代 / 新生代 |
研究概要 |
西南日本内帯の白亜紀から新第三紀中新世に至る火成岩類のうち、主に琵琶湖周辺と中国、山陰中部地方のものについて記載岩石学、岩石化学、年代学的研究を行った。それらの成果の一部は公表され、また平成6年度中には公表される予定である。研究の結果、西南日本内帯の上部マントルは白亜紀から前期古第三紀にかけては海洋性プレートの沈み込みの影響の強いものであったが、後期古第三紀に至り組成的改編が始まり、中期中新世まで続いたこと、また下部地殻は白亜紀と前期古第三紀には同位体組成の異なるいくつかのブロックに分れていたが、山陰側ではその組成的改編が後期古第三紀に始まり、中新世に完了したことが明らかとなった。この様な上部マントルと下部地殻の組成的改編は日本海の形成に関連したものと推定される。すなわち日本海の拡大を引き起こした新たなマントル物質の上昇と貫入が後期古第三紀に始まったことを示している。このほか西南日本内帯の地殻下部由来の捕獲岩類に見られる部分融解現象と珪長質火成岩類の成因論に関する比較検討が現在行われている。また西南日本外帯の中新世花崗岩類中の地殻物質由来の捕獲岩の岩石学、岩石化学的研究が行われ、典型的な付加コンプレックス下部で起こっている変形・変成作用の実態が明らかになるとともに、Sタイプ花崗岩の成因にもせまりつつある。 平成5年度には蛍光X線分析装置を購入し、珪酸塩・炭酸塩岩石の主・微量成分分析を確立した。また、蛍光X線分析や同位体組成分析に必要な岩石粉末試料の準備やデータ処理のための周辺機器を購入したことにより、分析とデータの解析が効率的に行えるようになった。
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