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1995 年度 実績報告書

太古代における大陸/海洋地殻形成過程の研究

研究課題

研究課題/領域番号 05402022
研究機関東京工業大学

研究代表者

丸山 茂徳  東京工業大学, 理学部, 教授 (50111737)

研究分担者 高橋 栄一  東京工業大学, 理学部, 教授 (40144779)
海老原 充  東京都立大学, 理学部, 助教授 (10152000)
キーワード太古代 / 海洋地殻 / 大陸地殻 / プレートテクトニクス / ホットスポット / ポテンシャル温度 / スラブの熔融 / コマチアイト
研究概要

グリーンランドイスア地域の38-37億年前の中央海嶺玄武岩とホットスポット玄武岩の解析が終り、昨年度に終了した33億年前の中央海嶺玄武岩の解析と併せて結果を要約すると以下のようになる。38億年前の中央海嶺地域のマントルのポテンシャル温度は1425℃、33億年前では1400℃であったと見積もられる。これらの温度は現在の地球では1300℃であり、太古代では約100℃程度高温であったことがわかる。従って現在の約2-3倍の厚さの海洋地殻(約20km)が太古代に存在したはずである。太古代の海洋島火山岩には特徴的にコマチアイトが産するが、このマグマが分化すると高マグネシア安山岩に分化することが一般的であることが明らかになった。コマチアイトを含むホットスポットのマントルのポテンシャル温度は約1900℃になり、現在のアイスランドのそれ(1530℃)よりもかなり高い。
これらの火山岩から母マントルの組成を見積もると太古代の海洋マントルは現在のそれよりもかなり親鉄成分に富んでいることが判明した。カンラン石のMg値は現在で約89であるが、太古代では約85である。また大陸地殻成分にも富んでいる。
大陸地殻はいわゆるTTG花崗岩であるが、マグマから直接緑廉石を火成鉱物として晶出させている点が顕生代のTTGとの顕著な違いである。希土類元素はLa/Ybが約50に達する典型的な太古代花崗岩も存在するが、その比が3-10程度のものも普通に存在し、しかも一つの累体深成岩体の中で50から3で変化している。分化指数に対するNaの変化は顕生代の花崗岩と際立った違いを示す。以上のことは従来の説であるスラブの部分熔融説を支持している。太古代の中央海嶺玄武岩を使った熔融実験によって花崗岩を再現する実験が今後の課題である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] A. P. NUTMAN, h. HAGIYA and S. MURUYAMA: "SHRIMP U-Pb single zircon geochronology of a Proterozoic mafic dyke, Isukasia, southern West Greenland" Bulletin of the Gelogical Society of Denmark. Vol. 42. 17-22 (1995)

  • [文献書誌] G. Kimura, S. Maruyama, Y. Isozaki and M. Terabayashi: "Well-preserved underplating structure of the Jadeitized Franciscan complex, Pacheco Pass, California" Gelolgy. vol. 24 no. 1. 75-78 (1995)

  • [文献書誌] 小宮剛,能田成,丸山茂徳,林衛: "世界最古の付加体 グリーンランド,イスア地域の地質-38億年前のプレートテクトニクス-" 地質ニュース. 489号. 49-61 (1995)

  • [文献書誌] A. Tomiya and E. Takahashi: "Reconstruction of an Evolving Magma Chamber beneath Usu Volcano since the 1663 Eruption" JOURNAL OF PETROLOGY. vol. 30 no. 3. 617-636 (1995)

  • [文献書誌] M. Ebihara, H. Minowa, H. Nakahara and C. Yonezawa: "Evaluation of Zr and Hf Data for Some Geological Standard Rock Samples" ANALYTICAL SCIENCES. vol. 10. 694-699 (1995)

  • [文献書誌] K. Shinotsuka, H. Hidaka and M. Ebihara: "Detailed abundances of rare earth elements, thorium and uranium in chondritic meteorites: An ICP-MS study" Meteoritics. 30. 694-699 (1995)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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