研究課題/領域番号 |
05402033
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
流体工学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
高山 和嘉 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (40006193)
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研究分担者 |
佐宗 章弘 東北大学, 流体科学研究所, 助教授 (40215752)
井上 督 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (00107476)
新岡 嵩 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (90208108)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1995
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キーワード | 衝撃波 / ラム加速機 / ホログラフィー干渉計 / 宇宙工学 / 衝撃超高圧 |
研究概要 |
今年度、混合気供給系、計測系を含めたラム加速機システムを完成させ、約60回の動作試験を行なった。混合気供給装置では、質量流量調整器と背圧制御弁を組み合わせ、二次側の圧力に無関係に安定した質量流量を供給するシステムを開発した。計測系では、高圧管内の飛行体の速度を計測するための磁気センサーや、一チャンネルで多点の測定データを記録できるマルチプレクサシステムを開発した。本体の初段加速部は、無煙火薬30グラムで、約40グラムの飛行体を1.2km/s以上で射出できる性能を持ち、そのシンプルな構造を考えるとそれ自体でも利用価値の高い物となった。ラム加速の始動過程では、混合気の非定常流体力学的な作用のみでサボを分離させる技術を確立した。 ラム加速機の作動実験では、メタン-酸素-希釈気体より構成される混合気を用い、プロジェクタイルの形状、突入速度や、混合気の充填圧力、メタン、希釈気体のモル分率、サボの形状を変化させて実験を行った。ラム加速機の始動可能領域はそれほど広くはなく、混合気の第二ダムケラ-数、突入速度、サボのデザインに大きく依存することがわかった。 ラム加速機に関する解析として、(1)ラム加速機ユゴニオ解析に基づく推力特性解析コードに開発し、熱閉塞モードにおける推力特性が予想可能となった。(2)従来のラム加速機ユゴニオ解析を、有限速度化学反応の効果を考慮することによって発展させ、熱閉塞モードのみならず、遷デ-トネーション作動における推力特性も解析可能となった。 本研究により、小口径の装置であってもラム加速機の作動が可能であることを実証したことは、世界的に見ても価値の高いことであり、重量物を高速で射出する新しいタイプの装置を得たことは、我が国の宇宙開発、材料開発技術にとっても意義が大きい。
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