研究課題/領域番号 |
05402035
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
中島 尚正 東京大学, 工学部, 教授 (00011073)
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研究分担者 |
村上 存 東京大学, 工学部, 助教授 (20212251)
井街 宏 東京大学, 医学部, 教授 (10010076)
藤正 厳 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (30010028)
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キーワード | マイクロマシン / カテーテル / アクチュエータ / ガイドシステム |
研究概要 |
1.昨年度で考案した中空円筒の吹き流しを3本の操作索で制御する方式は、拍動周期が短い拍動流の中で、3本の操作索が絡まったりするなどの原因で操作が容易ではないことが分かった。そこで、3本の操作索の中の2本を固定して支持脚として使い、残りの1本だけの索を押し引きすることによって吹き流しの姿勢制御を行う方式を考案した。 2.新しく考案した方式の操作性能を実証するため、血液の流れをシミュレートする装置(血管内拍動流模擬装置と呼ぶ)を製作し、これを用いて分岐操作実験を行い、以下の知見を得た。 (1)動粘度を一定(1mm^2/s)にし、Re数を72〜930(8段階)に変え、直径5mmのY・T・トタイプの分岐管において、分岐選択の操作実験を行った。Y・T・トタイプの分岐管において、Re数がそれぞれ108、300、930以上のとき、分岐選択の操作がスムーズにできたが、それ以下ではできなかった。Yタイプの分岐管に比べて、T・トタイプの分岐管で分岐選択ができるRe数の範囲が狭いのは、分岐角度が大きいほど、吹き流しの受ける流体力がカテーテルの曲げ剛性に相殺されてしまうためと考えられる。 (2)動粘度を1〜6mm^2/sに変え、分岐管タイプごとに粘度による分岐選択の操作特性への影響を調べた。1つの動粘度に対して、徐々に流速を増加させると、分岐選択は不可能から可能になり、さらに流速を増加させると、スムーズに分岐選択ができた。血液の動粘度は2〜5mm^2/sの範囲に入っており、この範囲内ではT・トタイプの分岐管における分岐操作は動粘度にあまり依存することなく、流速はそれぞれ33、42cm/s以上であれば、スムーズに分岐選択ができた。同じ動粘度の範囲内で、Yタイプの分岐管でのスムーズに分岐選択のできる流速が30〜37mm/sに変わって、動粘度に依存することが明らかになった。
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