研究概要 |
マルチメディアシステム内には大小無数のデータベースが地理的に分散して存在し,これらが互いにネットワークによって接続されることになる.従って,情報を不必要に永に蓄積したり,妄りにネットワーク内を行き来しないで済むきょうにすることが,データベースマシーンや伝送交換機のコストを下げ,システム全体を効率的に構築する上で極めて重要となる。 上述の背景に関連して,従来からキャッシュメモリーの書き換えアルゴリズムとしてLRUやFIFO等が知られているが,報告者等は従来方式とは抜本的に異なり,人の記憶モデルに倣って忘却・想起を繰り返す新しい情報の書き換え方式を提案し,これを用いた分散形データベースシステム"忘れ上手なイメージデータベース"の検討を中心に研究を展開した.この新しい分散型画像データベース構築法は,インターネット上でのマルチメディアサービス等において手案する方式は極めて有効であると考えられる. また,広帯行きISDN上で映像情報通信サービスを実現しようとするとき,解像度や符号化方式を始めとする仕様の異なる各種のサービスが混在することになり,このままでは互いにインターワークすることができない.こうした問題を解決するために,同一の画像を処理して作った複数の解像度を持つ階層的な画像のセットからなる統一的な中間フォーマットを用意し,各サービスの画像を対応する解像度の中間フォーマットに変換すると共に,高能率に符号化する手法を検討した.特に,マルチメディアサービス環境においては様々な画像サイズの端末が用いられているため,そのサイズに会わせて任意のサイズに濃淡画像を拡大出来る直交変換を検討した.また,2値画像に関しても,飛躍的なデータ圧縮を目指して超低速伝送路を想定した情報非保存型符号化方式について検討した. 一方,次世代の知的画像通信として,VR(Virtual Reality)システム,臨場感通信等の3次元画像通信が提唱されているが,本研究では,3次元形状データを蓄積伝送する3次元画像データベースシステムの為の入力手法として単眼運動立体視システムや共軸複眼カメラシステムを提案し,シミュレーション及び実画像を用いた実験により評価を行った.
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