研究課題/領域番号 |
05402045
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
森田 司郎 京都大学, 工学部, 教授 (30025902)
|
研究分担者 |
小松 勇二郎 京都大学, 工学部, 教務職員 (60109022)
近藤 吾郎 京都大学, 工学部, 助手 (30195896)
藤井 栄 京都大学, 工学部, 助手 (70144334)
|
キーワード | 鉄筋コンクリート梁 / 高強度鉄筋 / 塑性変形能 / 降伏比 / 熱応力 / 外部拘束梁 / 最少鉄筋比 / 有限要素解析 |
研究概要 |
1.高強度鉄筋の応力-ひずみ関係のモデル化 成分調整と高周波熱処理によって高強度化した降伏点が700Mpaから1000Mpaの範囲の鉄筋について、塑性域での正負繰返し試験を実施した。鉄筋コンクリート中でのひずみ履歴を考慮して、圧縮ひずみ振幅は2500μで一定として、引張ひずみ振幅を漸増載荷した結果、降伏比の0.8以下の成分調整鋼については、従来の常用鋼の延長としてR-Oモデルで表現できること、降伏比が0.9程度以上の場合には少ない繰返し数で耐力劣化を生じ、定常な応力-ひずみ関係を持たないことを明らかにした。これらの結果から、さらに一般化したモデルを導出できる見込みである。 2.鉄筋の塑性ひずみの局部集中現象が部材の変形に与える影響を解析するプログラムの開発 鉄筋の降伏後の付着作用を考慮したボンドリンクモデルを採用し、コンクリートは非線形構成則に従う有限要素法解析プログラムを開発して、RC梁の降伏後挙動を解析した。この解析例と曲げ変形のみを取り扱った分割型計算結果を比較して、有限要素解析が実際の塑性域の性状を良く表現できることを明らかにした。塑性域での正負繰返し変形へのFEMの拡張は、材料モデルの精粗のバランスが悪く、まだ成果を得ていない。 3.外部拘束梁の載荷装置の開発 温度伸縮を無視してもよい実験室内載荷床を反力枠として利用する方式で外部から軸変形を拘東する装置を製作した。これを用いて高強度コンクリートの水和反応熱による熱応力および乾燥収縮による元応力が曲げクラックおよびせん断クラックの低下に与える影響を調べる実験のパイロット実験を実施中であり、現在のところ有効性を確認している。また載荷中の軸方向変形拘束をサーボジャッキで与える方式を次年度で付加するのが有効であるので計画中である。
|