環境刺激や作業負荷等に対する大脳の反応(進行脳波・誘発電位)と自律神経系を介した末梢の生理的反応(皮膚電位・容積脈波・筋電・マイクロバイブレーション等)を同時計測できるシステムの改良・充実を図った。6年度の研究は、更に刺激を聴覚・視覚その他の複合的なものとした場合の生体の反応について知見を得て、環境評価の総合的な体系化を図る検討を行った。 環境刺激に対する人間の生理的反応の時間軸上での推移に注目し、フィルターや加算平均などの信号処理方法に改良を加えて時間分解能を高め、慣れや適応などに関する有用な知見を得た。またトリーガー刺激と環境刺激の相関性に関する実験を行い、予期効果を確認した。すなわち、聴覚誘発電位の波形に対応したデジィタルフィルターによってノイズを除去し、加算平均時間を従来の数分の1とすることによって、環境刺激に対する過渡応答(慣れや疲労など)を測定することが可能になり、刺激に対する順応曲線プロトタイプモデルを導出できた。
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