研究課題/領域番号 |
05402050
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
村上 正紀 京都大学, 工学部, 教授 (70229970)
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研究分担者 |
奥 健夫 京都大学, 工学部, 助手 (30221849)
大槻 徴 京都大学, 工学部, 助手 (10026148)
小出 康夫 京都大学, 工学部, 助教授 (70195650)
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キーワード | 金属間化合物 / 薄膜 / 機能材料 / 電子材料 |
研究概要 |
本研究は近年当研究室で初めてオーム性が確認された高融点金属間化合物の機能性コンタクト材としての適用性の基礎研究を進める。金属間化合物コンタクト材は低融点の相が形成されないために、GaAs基板への拡散が浅く、耐熱性が優れ、コンタクト材表面は平坦であり、コンタクト抵抗値の低減のみが達成されればVLSIデバイス適用条件をすべて満足する。従って本研究は金属間化合物コンタクト材と半導体界面の電気伝導機構を明らかにし、良質の電気特性を得ることを第一目的とする。 平成5年度は、主としてNiGeコンタクト材の接触抵抗の低下を試みた。具体的にはNiGeコンタクト材へ微量の第3元素を添加した。第三元素は以下の2つの見地から選定した。1つの方法は金属と半導体界面近くのGaAs内にGaの空孔を形成し、その空孔にGeが拡散しやすい微量の第三元素でありAuを選択した。他の方法はコンタクト材とGaAs界面にエネルギー禁制帯幅の狭い薄い三元系化合物半導体がエピタキシャル成長し、エネルギー障壁高さを低下させるような微量の添加元素を考えて、Inを選択した。 この実験において当初の目的通り、NiGeコンタクト材の高い接触抵抗を(〜0.8Ωmm)、様々な特性を維持しながら1/4の0.2Ωmmまで低下させることができた。また、X線回折実験、ラザフォード後方散乱実験、高分解能電子顕微鏡観察により界面微細構造に関する情報を得てコンタクト形成機構を明らかにすることができた。これらの結果より、今後のNiGe系金属間化合物コンタクト材の材料設計指針がある程度得ることができた。しかし、コンタクト材/半導体界面近傍での微量元素の詳細な解析はさらに進める必要があり、また将来的なデバイスを考慮するとコンタクト材の接触抵抗をさらに低下させることが望ましい。これらの問題を平成6,7年度にさらに追求していく予定である。
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