研究概要 |
Fe-Cu,Co-Cu合金に繰り返しプレス変形を加えた結果10ナノメーター寸法の極微細な磁性、非磁性2相の混合組織を作成することに成功した。得られた混合相組織を有する材料の電気抵抗を零から15KOeまでの磁場中で測定したところ、Co-Cu合金において常温で約7%の抵抗変化が認められた。この磁気抵抗効果は、人工多層膜試料において発見されたGMR(巨大磁気抵抗効果)と同じ効果である。すなわち、非磁性のCuがFe,Co等の磁性相とナノメーター寸法に混合することにより、磁性相の粒子が反強磁性的な相互作用を及ぼし合っていると見られる。磁場によって反強磁性結合が解かれて電気抵抗の低下をもたらしたと見なせる。本研究により得られたGMRの大きさは人工多層膜試料において報告される値とほぼ同程度であった。
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