コンピュータ・グラフィクスを用いて様々な自然現象をモデル化するために、本研究では、物体の特異点に基づいた統合的モデルを構築した.統合のための基本構造として臨界点間のグラフ的関係を与える臨界点グラフ、別称レーブグラフ(Reeb graph)を採用し、多様性を統合するモデルModel Visualをシステムとして構築した.その階層構造は位相レイヤ、幾何レイヤからなり、各レイヤ上での操作群として、形状処理オペレータ、認識オペレータ、視覚オペレータ、表示オペレータ、データベースオペレータを持つ. 本年度は、残されていた形状処理オペレータと認識オペレータが完成した.まず、臨界点グラフを、メッシュデータから自動生成するアルゴリズムが完成し、地形情報処理システムに応用した.また、これまでの高さ関数と異なり、座標系軸の回転・平行移動に対して不変であるがウス曲率関数を認識オペレータに用いる方法が完成した。これにより座標に影響されずに認識を行なえるようになった.また、形状処理オペレータとして、臨界点の間のホモトピックな形状変形を、拡散方程式を用いて実現した.これにより、CTデータなどから、臨界点の位置の計算および断層の輪郭線のホモトピックな形状変形を全自動で行なえる.
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