研究は画像を中心とした研究と言語記述を中心とした研究との両方から行っている。その統合は最終年次に行う予定である。 (1)画像検索のための1つの要素は画像がどのようなものであるかを明らかにすることである。我々はこれを対話的に作成するソフトウェアシステムを作った。先ず、画像をディスプレイに表示し、その任意の部分をカーソルで領域指定すると、その領域の位置、面積、色、画質などが自動的に解析される。人はこの領域に対して適切な名称を与える。これを画像の任意の場所に対して自己埋め込み的にすることを許すことによって、画像の構造と特徴が任意の精度で木構造とその各ノードに付与された豊富な画質情報の形で得られる。 (2)画像検索には人間の持つ主観や印象をどのように扱うべきかという問題がある。画像データからこれらの情報を直接抽出することは困難なので、絵画に付属する解説文を対象に自然言語処理を行ない、対象情報および感性的情報を抽出する方法を提案した。解説文に記述されている情報を分類し、それを抽出するための意味解析の方法とそれに必要な体言と用言の意味辞書と格フレーム情報を明かにした。さらに約50文の絵画の説明文について実験を行い、本方法の有効性を示した。
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