本年度は研究の最終年度としてシステムの作成を中心として研究を行った。特に画像形状と色彩を画像データベースの各画像から自動的に抽出する方法を明確化し、プログラムを作り、その有効性を確かめた。そこでこのような情報を用いて画像の検索ができるシステムを作った。 植物図鑑の解説文の解析には植物の専門用語が必要であるので、このテキストからの専門用語を自動抽出し、さらにこれらを植物の構造や分類体系に整合するように一種のシソ-ラスを作る方法の研究も行い、よい結果を得た。質問者の探索要求はキーワードの組合せで表現されるが、これをこのシソ-ラスを用いて適切な要求表現に自動的に変換したあと、画像データベースの説明文章の方の検索を行うシステムを作った。そしてこれと画像データベースとをリンクすることによって、説明文に対する画像を検索表示することによって、検索した画像が期待したものかどうかを調べ、不満足の時は次の候補を出すなどが出来るようになっている。 また図鑑のテキストから無作為に抽出した名詞述語文200文に対し、この専門知識を用いて用例にもとづいた意味解析と係受け解析を行った。その結果、図鑑の解説文において画像の内容に関する重要な情報を表現する名詞述語文の意味関係の87%、係受け関係の96%の解析に成功した。さらに、図の理解で獲得した情報を図鑑のテキストから抽出した図鑑を理解するためのメタ知識と統合し、より正確なメタ知識が獲得出来ることを示した。
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