植物図鑑のように画像とその解説が対になった情報のデータベースとその検索の方式について研究を行った。具体的には国立民族学博物館の展示標本資料の一部と平凡社の植物図鑑、その他の画像について研究を行った。 画像処理の技術を用いて画像中の主な対象の輪部線抽出、形状抽出、画像全体の平均的な色情報を抽出、画像中の主な対象の色情報の抽出などを行い、画像データベースの画像特徴キ-とした。 一方、画像の解説文を言語処理の技術によって解析し、その中に含まれる専門用語と形容詞情報を抽出し、これを言葉による画像検索のキ-とした。さらにここで得た専門用語を言葉の概念構造および植物分野の学問体系に基づいた概念の階層構造に整理し、検索の時にこれらの知識を使って柔軟な検索ができるよう工夫した。 さらに画像の対象がもつ構造に着目し、これを包含関係に基づく木構造としてとらえ、それぞれの部分に適切な名称を付与することを行った。これは表示画像上でマンマシン対話によって行った。こうして国立民族学博物館の資料画像に対して対象の任意の部分の名称によって検索が可能なようにした。 検索は、言葉による方法、画像特徴による方法、この両者の組合せによる方法のいずれでも行える。例えば、「オレンジ色の丸い果実を付けた植物」という内容の検索要求を、言葉によっても、またオレンジ色を色チャートから適当と思われる色を目で見て選ぶといった手法によっても行うことが出来る。
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