研究課題/領域番号 |
05402063
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
芳野 赳夫 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (90017301)
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研究分担者 |
富沢 一郎 電気通信大学, 電気通信学部, 助手 (50111696)
柴田 喬 電気通信大学, 電気通信学部, 助教授 (80017417)
早川 正士 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (80023688)
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キーワード | 雲仙普賢岳 / 地震関連電磁放射 / 噴火関連電界変動 / 噴火予知 / 火砕流噴煙静電気放射 |
研究概要 |
平成5年度は、平成3・4年度科研費に引続き雲仙普賢岳においての観測を継続した。 今年度早々、1991年以来観測を続けた普賢岳の火口の北東2.3kmの千々石断層上の国見町田代原が、観測電源供給の不調、新たな電磁妨害雑音が発生し始めたため、国見地点の西北西2.8kmの九州国立大学共同研究センター敷地内に移動し、先年度までに購入した新製機器を設置した結果観測精度が各段に改善され、36Hz、1525Hzおよび82kHzの3周波数帯において観測を継続した。普賢岳は観測開始直後の1991年6月には火砕流、噴火等の多数の興味あるイベントが発生し、特に火山噴火に際して、噴火後約5分後に火口附近の電界が突然変動する現象を発見し、これが噴火によって生じた大気重力波が音速で上方に伝播して下部電離層に達して発生する事を証明する世界で初の成果を挙げた。しかし92年以降の普賢岳の活動は粘性に富んだマグマが徐々に押し上げられてか火口上にドームを形成し、以後の火山性地震の震源はこの頂上ドーム内に集中しており、火山性地震のゆっくりした増減を繰り返したのみで、火砕流の発生頻度もこれに従って増減した。これに伴い電磁放射も独特の波形の放射が行われている事を確認した。しかし今年度には2回のやや大きな地震が有り、その際時前に電磁放射が有る事を認めたが、これは次年度に更に観測して確認する必要がある。また平成5年度には、この電磁放射の発生機構を追及するため、我々は震源に於ける岩石破砕で磁界が発生し、震央の地表上に至るエネルギーは磁場によって伝送されると考えた。これを検証するために今年度は長野市の地震予知用観測トンネルを用いてトンネル間の低周波磁界の地中伝播測定を行い、初めて磁場の地中に於ける減衰が極めて少ない事を実証する事が出来た。これは今後の災害科学発展上に大きな寄与をする発見であった。
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