研究課題/領域番号 |
05402065
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
鈴木 篤之 東京大学, 工学部, 教授 (50011135)
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研究分担者 |
岡本 毅 東京大学, 工学部, 教務職員 (40114425)
長崎 晋也 東京大学, 工学部, 講師 (20240723)
安 俊弘 東海大学, 工学部, 助教授 (10201906)
田中 知 東京大学, 工学部, 教授 (10114547)
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キーワード | アクチニド / 人工バリア / ベントナイト空隙水 / 吸着 / コロイド / 核種移行 / 不確実性 |
研究概要 |
1.健全人工バリア内におけるアクチニドの地球化学的挙動 人工バリア内の環元性雰囲気を模擬するために環境雰囲気制御セル内に実験体系を組み立てて、人工バリア候補材ベントナイト(スメクタイト)を用いることで劣化開始前のベントナイト空隙水の化学的条件(pH、酸化環元電位、炭酸イオン濃度)を評価した。これにより、放射性核種(特にアクチニド元素)の地球化学的挙動に重大な影響を及ぼすパラメータを明かにすることができた。またこの実験結果が、熱力学的平衡計算に基づくシミュレーションの解析結果とも一致することを確認した。以上の成果により、深部地下に埋設された人工バリアの間隙水化学条件の経年変化を評価するための手法が確立したと考えられる。本年度は、人工バリア劣化前の条件におけるアメリシウムの地球化学的挙動について検討し、アメリシウムがベントナイトから放出される微粒子に吸着し擬似コロイドを形成することを明かにした。また同時に、この擬似コロイド形成によりアメリシウムのベントナイトへの吸着挙動が影響を受け、その吸着分配比が実験条件である固液比や固液分離方法に対し強い依存性を示すことが実験的に明かにされた。この吸着分配比の固液比依存性ならびに固液分離方法依存性は、アメリシウムの擬似コロイド形成を仮定することで、理論的に説明されることも確認された。 2.人工バリア性能変化が核種移行に及ぼす影響 人工バリアが経年変化を受けていない場合の典型的な核種吸着分配比や溶解度を用い、それらが時間的に変化すると仮定した場合について人工バリア内での核種移行挙動を検討し、人工バリアが長期的に健全で性能劣化しないとした場合の解析結果と比較し、各パラメータの時間変化の影響を定性的に議論した。
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