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1994 年度 実績報告書

人工物の長期的性能と安定性に関する地球化学的解析

研究課題

研究課題/領域番号 05402065
研究機関東京大学

研究代表者

鈴木 篤之  東京大学, 工学部, 教授 (50011135)

研究分担者 長崎 晋也  東京大学, 工学部, 講師 (20240723)
安 俊弘  東海大学, 工学部, 助教授 (10201906)
田中 知  東京大学, 工学部, 教授 (10114547)
キーワードスメクタイト / イライト / 人工バリア / ネプツニウム / アメリシウム
研究概要

高レベル放射性廃棄物地層処分の人工バリアにおいて、ベントナイト緩衝材に含まれるスメクタイトは長期間においてイライト化し、止水性、膨潤性、核種吸着性能などの性能が劣化する。本年度は、文献によって報告されているスメクタイトのイライト化反応式を用いてイライト化速度を評価するとともに、アクチニドの吸着性能がそれによりどのように変化するかを評価した。
スメクタイトが、ベントナイト間隙水中のカリウムイオンと1対1反応を通してイライト化するとしたAltanerモデルを用いた。緩衝材中では、カリウムは拡散によってのみ移行し、緩衝材と岩盤との境界でカリウムイオン濃度は常に一定であると仮定するとともに、オーバーパックへの浸透はないものとした。スメクタイトのイライト化反応は温度によって重大な影響を受けると考えられているため、本研究では温度条件として30℃、60℃、90℃を想定した。その結果、30℃では100万年経過してもほとんどイライト化は進行しないことを示すことができた。一方、90℃では1000年経過後からイライト化が有意に進行し100万年後には80%がイライト化することを評価することができた。これにより、本年度において人工バリア内でのスメクタイトのイライトへの経年変化を定量的に評価することのできるモデルを完成することができたことになる。
また同時に、主要なアクチニド元素であるネプツニウムとアメリシウムについて、人工バリア内での吸着分配係数がスメクタイトとイライトの混合割合によってどのように変化するかについても、人工バリア内での地球化学的環境条件を模擬したグローブボックス内での実験を通して評価した。その結果、スメクタイトの割合が50%以上の場合、分配係数は100%の場合とあまり大きな違いはないが、50%以下になると徐々に減少すること、しかし100%イライトへの吸着分配係数は高々1桁も変わらないことを明らかにすることができた。

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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