研究課題/領域番号 |
05403010
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能・物性・材料
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
太田 俊明 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (80011675)
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研究分担者 |
朝倉 清高 東京大学, 理学部, 助教授 (60175164)
難波 秀利 東京大学, 理学部, 助手 (40118766)
北島 義典 高エネルギー物理学研究所, 放射光実験施設, 助手 (00204892)
横山 利彦 東京大学, 大学院理学系研究科, 講師 (20200917)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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キーワード | 走査型トンネル顕微鏡(STM) / 表面X線吸収分光(表面XAFS) / 表面再配列 / 原子吸着構造 |
研究概要 |
本研究では、まず、走査型トンネル顕微鏡(STM)測定装置を備えた表面分析用超高真空チェンバーの設計・製作を行った。この装置では、STMの他、4枚グリッド背面LEED光学系を用いてのLEED-Auger測定と、Mg,AlツインアノードX線管と半球型電子エネルギー分析装置を用いたX線光電子分光測定が行える。次に、STM測定系の評価のため、(5√3×2)-rect.S/Ni(111)のSTM像を観測した。この結果は既に報告されているものと良く一致した。続いて(√17×√17)R14°S/Cu(100)系のSTM及びSK吸収端SEXAFSの測定を行い、表面構造を検討した。この2つの手法を併用することは表面構造解析上極めて有効である。なぜなら、STMは主として表面最外層の情報を与えるため吸着原子の面内位置や長距離的な描像がわかり、SEXAFSは吸着原子と基板原子との相対位置を精度良く決定することができ、両者は完全に相補的であるためである。この系のSTM測定の結果、我々は単位格子中に2種類の非等価なS原子が存在することを見出した。SEXAFSの結果を併せて考えることによって、最外層のCu原子が再配列した新しいモデルを提供した。単位格子中の4個のS原子は再構成されたCuの表面層上のhollow位置に吸着し、残りの4個のS原子は再構成されていないCuの第二層のhollow位置に存在していることが決定できた。
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