研究概要 |
化学的に活性な金属表面上に「吸着」、「触媒反応」あるいは「電気化学的反応」によりPseudo Molecule(擬分子)あるいは「Quasi Compound」と呼べる表面に特異的な化合物を合成し、その配列構造をSTMにより調べ、これらの新しい物質系の「反応性」や「電子状態」をアトムレベルでの新しい物質系の化学の展開を目的としている。平成5年度の補助により、DME社(デンマーク)の超高真空仕様のSTMを購入し超高真空で測定可能な装置の開発と、溶液系での測定が可能な電気化学STMの製作を進めてきた。装置の作製は順調に進んでおり、超高真空中で清浄なCu(110),Pt(110)等の表面の原子像を撮ることができた。しかし、現時点では金属表面の測定でSTMの探針の先端が不安定であることが原因で安定な像を十分時間観測できない。次年度に向けて表面での反応を測定できるレベルまでSTM像を安定化することを目標にしている。電気化学STMについては電子顕微鏡の実験と対応させながら電気化学的に生成する微粒子を観察を行なっている。
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