研究概要 |
単結晶が有する特性を最大限に引き出すためには目的とする単結晶の高品質化が基本である.各種の光学デバイスや電子デバイスの高性能化,高信頼化,小型化はますます必要となることは明かであり,多様な用途を持つ単結晶に対して育成結晶の高品質化を目的として欠陥生成機構を明らかにし,欠陥の生成を抑制・低減させる育成法を確立することが極めて重要である。この様な観点から本年度の研究結果は次のとおりである。 (1)ルチル単結晶に関して,A1と同様に小傾角粒界の制御に効果のある不純物元素ZrとScを添加し,育成条件と小傾角粒界の生成状態との相関関係について詳細に検討した。特に育成結晶については光学的な評価方法を用いて欠陥発生機構を解明し,単結晶の高品質化のための育成法を明確にした。 (2)三重ルチル型酸化物の育成では,NiTa206の育成を行った。この結晶については育成法および光学的性質に関するデータがないため,高品質化とともに屈折率や光透過率などを明らかにした。 (3)水晶の水熱育成に対する溶媒の影響を明らかにするためにNH4F水溶液やケイフッ化ナトリウム水溶液などを用いての育成を行うとともに育成結晶についての種々の評価を行った。
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