研究課題/領域番号 |
05403025
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
有機工業化学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
鳥居 滋 岡山大学, 工学部, 教授 (70032927)
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研究分担者 |
玄場 昭子 岡山大学, 工学部, 教務員 (80274009)
奥本 寛 倉敷芸術科学大学, 産業科学技術学部, 助教授 (90183251)
井口 勉 岡山大学, 工学部, 助教授 (50168473)
黒星 学 岡山大学, 工学部, 講師 (30242316)
田中 秀雄 岡山大学, 工学部, 助教授 (60032950)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1996
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キーワード | N-オキルラジカル / 電子伝達 / ポリアニリン / チオフエン / 導電性高分子 / レドックス / 2次電池 / 電解重合 |
研究概要 |
電子伝達機能を有する新物質の精緻な合成設計上の指針を打ち立てることを目的として、いくつかの電子伝達性物質の合成法を開発し、その性能を評価した。とりわけ、レドックス機能を有する分子に注目して基礎的な研究を進めた。 導電性ポリマーであるポリアニリンに新機能を付与するために、レドックス能を有するトリアリールアミンや2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-N-オキシル(TEMPO)を導入した。すなわち、トリアリールアミンやTEMPOなどの置換基を有するアニリンを電気化学的に酸化し、これらの修飾基を持つポリアニリン膜を電極上に作成することに成功した。このような材料は2次電池の電極材料としての用途が期待される。 N-オキシル化合物の基本的な性質を明らかにするために、4位に置換基を有するTEMPO誘導体のレドックス挙動を種々の電解条件下で検討した。その結果、これらの化合物はN-ヒドロキシル→N-オキシル→N-オキソアンモニウム塩間で安定なレドックス対を形成すること、またこれらのレドックス対がアルコールの優れた酸化剤として利用できることを見つけた。 また、N-オキシル化合物は安定なスピン分子であり、スピン配列の高次元化により有機強磁性分子を作ることが出来る。これらのN-オキシル化合物に見られる特性を効果的に発現させるための分子設計ならぴにそれらの合成設計を行ない、複数のN-オキシル基をπ電子共役系で連結した分子の新たな構築法を確立した。電子スピン共鳴などの結果から、これらの化合物において分子内でのラジカル間スピン-スピン相互作用があることがわかった。これを利用してスピン配列が制御できる可能性が期待できる。
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