• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1995 年度 実績報告書

イネミトコンドリアゲノムの機能解析による分子育種学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 05404007
研究機関東京大学

研究代表者

平井 篤志  東京大学, 農学部, 教授 (60023470)

研究分担者 堤 伸浩  東京大学, 農学部, 助教授 (00202185)
キーワードイネ / ミトコンドリアゲノム / 転写制御 / 転写開始点
研究概要

ミトコンドリアはエネルギー産生の場で、すべての真核生物において重要な働きをしている。しかし高等植物のミトコンドリアゲノムは構造が複雑で、ゲノムの分子構造と機能の関係が余り解明されておらず、育種へ応用が限定されている。本研究ではイネのミトコンドリアゲノム全体の転写地図を作製し、転写部分の塩基配列を調べ、それから有用遺伝子を特定するとともに、遺伝子発現の制御因子についても解明し、その改変による育種への応用の基礎データを得ることをめざしている。
昨年度に引き続き、さらに転写領域を特定し、詳しく解析しゲノムの物理地図上に位置を示した。その過程で、ABC型ヘム輸送タンパク質の遺伝子であるhelC(orf240)とNADH脱水素酵素のサブユニット6の遺伝子であるnad6をtrnN遺伝子の近傍に新たに見つけ、地図上の位置を決めると共に、遺伝子の塩基配列を決定した。両遺伝子の発現を調べたところこの2遺伝子は一つの転写開始点より共転写されていた。またhelCに関してはcDNAの塩基配列も決定し、エディティングについても調べた。
ミトコンドリアゲノム内に葉緑体から転移した配列が存在することは既に明らかにされていたが、転移した配列の中にtrnHのように転写されており、発現している遺伝子が存在することが確認された。またプロモーターとして働き、ミトコンドリア固有の遺伝子であるnad9を発現させていた配列も明らかになった。この配列は葉緑体ではプロモーターとしての機能を保持しておらず、ミトコンドリアでだけ機能していた。これは非常に興味ある発見である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Itadani,H.et al.: "Nucleotide sequence of a 28 kbp portion of rice mitochondrial DNA:the exitence of many sequences that correspond to parts of mitochondrial genes in intergenic regions." Plant Cell Physiol.35. 1239-1244 (1994)

  • [文献書誌] Nakazono,M.et al.: "The rps3-rpl16-nad3-rps12 gene cluster in rice mitochondrial DNA is transcribed from alternative promoters." Curr.Genet.27. 184-189 (1995)

  • [文献書誌] Nakazono,M.et al.: "Nomologous reconmbination mediated by two palindromic repeated sequences in the mitochondrial genome of Oryza." Theor.Appl.Genet.91. 1-8 (1995)

  • [文献書誌] Nakazono,M.et al.: "A small repeated sequence contains the transcription initiation sites for both trnfM and rrn 26 in rice mitochondria." Plant Mol.Biol.28. 345-348 (1995)

  • [文献書誌] Nakazono,M.et al.: "The CRTA motif is present in the promoters of mitochondrial genes of rice." Palnt Sci.105. 227-234 (1995)

  • [文献書誌] Nishiwaki,S.et al.: "Structure of a gene for subunit 9 of NADH dehydrogenase (nad9) in rice mitochondria and RNA editing of its transcript." Plant Cell Physiol.36. 1135-1138 (1995)

URL: 

公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi