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1994 年度 実績報告書

作物の固体生理からみた根の多面的役割の質的量的評価

研究課題

研究課題/領域番号 05404008
研究機関東京農工大学

研究代表者

石原 邦  東京農工大学, 農学部, 教授 (70014925)

研究分担者 大川 泰一郎  東京農工大学, 農学部, 助手 (80213643)
平沢 正  東京農工大学, 農学部, 助教授 (30015119)
キーワード蒸散 / 乾燥害 / 吸水 / 急性萎凋 / 根群の発達 / 水ポテンシャル / ミニリゾトロン / 白穂
研究概要

作物の根は養水分吸収、特殊な化合物、ホルモンなどの形成、環境に対する応答、固体の生長に対して種々の重要な役割を果たしている。
本年度は、これらの役割が充分に果たせなくなった時に生じる影響について検討した。
土壌水分が充分にあっても、天候の変化などによって蒸散が一時的に増加し、根の吸水量が蒸散量に追いつかず、植物体内の水ポテンシャルが低下することによって、キュウリに急性萎凋が生じ、水稲では白穂となる現象がある。この要因は異なり、キュウリでは茎基部の維管束の導管にチロシスが形成され、水稲では稲首の導管の水柱が切れ気泡が入るいわゆるCavitationが起こることにあることが明らかとなりつつある。このように要因は異なっても、この現象の発生は、根の吸水能力のわずかな不足に問題があることは共通している。
さらに、わが国の夏作物は梅雨、冬作物は3月中旬から4月中旬にかけてのいわゆるナタネ梅雨の後、晴天乾燥の下で生育し、この時に乾燥害を受けることがある。この要因について、ダイズとコムギを用いて検討した結果、いずれも雨が多く、土壌水分の多い時期に根群の発達とくに土壌深層への発達が悪く、晴天が続き、土壌が乾燥すると根群の吸水量が低下することによって、乾物生産が抑制され、収量が低下することがわかった。すなわち、わが国の乾燥害は根群の発達と関係したわずかの水吸収能力の低下にその要因があると考えられた。
根の多面的役割を検討するためには、根群の発達を正確にかつ簡便に測定することが必要である。ミニリゾトロン法について検討した結果、コアサンプル法と同様の精度で測定できる上に、この方法は同じ部位を生育を追って連続的に観察できることが明らかとなったので、この利点を生かして、さらに根群発達の実態を明らかにしたいと考えている。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Jiang.D.A: "Depression of photosynthesls in rice plant with low root activity following solable starch application to the soil." Jpn.J.Crop Sci. 63. 531-538 (1994)

  • [文献書誌] Jiang.D.A: "The difference of diurnal changes in photosynthesls in rice plants with different root activities induced by solable starch application to the soil" Jpn.J.Crop Sci. 63. 539-545 (1994)

  • [文献書誌] Hirasawa T: "Effects of pre-flowering soil moisture deficits on dry matter production and ecophysiclogioal characteristics in soybean plants under drought cenditions during graln filling" Jpn.J.Crop Sci. 63. 721-730 (1994)

  • [文献書誌] Hirasawa T: "A minirhizotron method for measuring root system of soybean Plants growing in the field" Jpn.J.Crop Sci. 64. 78-85 (1995)

  • [文献書誌] 飛田有支: "低土壌水分条件における地上部と地下部の生育のダイズ品種間差-エンレイとタチナガハの比較-" 日作紀. 63(別2). 119-120 (1994)

  • [文献書誌] 平沢正: "根の吸水と吸水能力の推定" 農業および園芸. 70. 317-323 (1995)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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