研究課題/領域番号 |
05404013
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
佐伯 浩 京都大学, 農学部, 教授 (40026498)
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研究分担者 |
高部 圭司 京都大学, 農学部, 助手 (70183449)
藤田 稔 京都大学, 農学部, 助教授 (60026599)
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キーワード | 植物細胞壁 / セルロースミクロフィブリル / 仮道管 / 二次細胞壁 / 付加成長 / 凍結割断法 / レプリカ法 / 急速凍結置換固定法 |
研究概要 |
本研究の目的は、植物細胞壁、特に、二次細胞壁の付加成長時におけるセルロースミクロフィブリル(以下CMFと略称)の堆積・積層機構を解明することである。 1.細胞壁新生面へのCMFの堆積・積層状況の観察:成長中のヒノキの樹幹から分化中木部を含む試料ブロックを採取し、仮道管二次壁新生面におけるCMFの配列・堆積の状況を高解像度のレプリカを用いて観察した。 (1)本来の構造を保った高分解能試料作製法を検討し、緩衝液・弱アルカリ洗浄による試料作製を行なった。 (2)凍結試料作製装置を用い、白金-カーボン蒸着等によりレプリカを作製、CMF1〜3本のストランドが判別できる高解像度電顕写真を撮影することができた。 (3)上記の電顕像について解析と計量を行い、そのデータにより二次壁新生面におけるCMFの堆積状況の模式図を作成した。さらに、二次壁付加成長において、CMFストランドが堆積の単位となるとの考えから、原形質膜上におけるセルロース合成顆粒TCによるCMF形成モデルを提案した。 2.原形質膜内外でのマトリックス物質の生成・輸送と堆積機構の解明: (1)バロニアの原形質膜外縁に現われる非晶質層は、水分に富み、アルカリ可溶の多糖類を含む。 (2)培養細胞系(ヒャクニチソウ葉肉細胞)における二次壁形成ならびにタラノキの新条の木部分化におけるリグニン(前駆物質)の生成サイトを、主に、急速凍結置換固定法-免疫電顕法により調べた。 以上の研究成果は、平成6年4月3-5日に奈良市で開催の第44回日本木材学会大会で口頭・ポスター(計4件)で発表する。
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