研究概要 |
3カ年の本研究でプロスタノイド受容体について以下のことを明らかにした。 1.これまでしられていたトロンボキサン受容体(TP)、プロスタグランジンE受容体EP_3サブタイプ(EP_3)に加えて、6種のプロスタグランジン受容体の構造とリガンド結合の特異性及び細胞内情報伝達経路を明らかにした。これらは、PGD受容体(DP)、PGE受容体EP_1,EP_2,EP_4サブタイプ、PGF受容体(FP)、PGI受容体(IP)である。 2.これによってプロスタノイド受容体の分類が可能になり、その分子進化も明らかになった。 3.これら8種の受容体の遺伝子座を同定し、TP,IP,DPの遺伝子構造を明らかにした。 4.EP_3受容体、TP受容体では、mRNAのalternative splicingによりカルボキシ末端の異なるいくつかの受容体アイソフォームが生成すること、これらが異なった情報伝達をおこすことを明らかにした。 5.in situ hybridizationを用いて、これら受容体の体内分布を明らかにした。また、胸腺、肝におけるTPの機能、脳におけるEP_2,EP_3の機能を解析した。 6.ヒトの血小板異常症において遺伝性トロンボキサン受容異常症を見出し、その変異を同定した。
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