研究課題/領域番号 |
05404036
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
皮膚科学
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
西川 武二 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (50051579)
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研究分担者 |
天谷 雅行 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (90212563)
清水 宏 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (00146672)
橋本 隆 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (20129597)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1995
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キーワード | 天疱瘡 / 尋常性天疱瘡 / 落葉状天疱瘡 / 免疫電顕 / 凍結同定 / 凍結置換 / クリオウルトラ切片 / カドヘリン |
研究概要 |
1)免疫ブロット法を用いて天疱瘡患者血清を分析し、分子量130KDの尋常性天疱瘡抗原、あるいは分子量150KDの落葉状天疱瘡抗原と反応する高力価の自己抗体をふくむ患者血清を10症例づつ選び出した。2)天疱瘡患者皮膚病変部への自己抗体のin vivoでの微細沈着部位、および正常人皮膚への患者自己抗体の沈着部位、すなわち天疱瘡抗原タンパクの微細局在部位を新鮮凍結組織超薄切片を用いた金コロイド免疫電顕法にて同定した。 3)尋常性天疱瘡抗原タンパクcDNAを用い、複数の異なったドメインに対するcDNAをPCR法を用いて作成した。cDNAを発現ベクターPGEXに組み込み各ドメインに対するリコンビナントタンパクを作成し、各部位に対する合成ペプチドを作成した。得られたリコンビナントタンパクあるいは人工ペプチドを兎に免疫し、尋常性天疱瘡抗原の複数の抗原決定基に対する抗体を作成した。 4)同様の方法で、分子量150KDの落葉状天疱瘡抗原についても複数の異なったドメインに対する抗体を作製した。 5)これらの抗体を用い正常人皮膚、あるいは天疱瘡患者皮膚における微細局在部位を新鮮凍結組織超薄切片をもちいる免疫電顕法で同定した。6)この結果より病変惹起抗原決定基の部位はデスモゾーム細胞外ドメインにあることを確定した。その抗原決定基を含むcDNAからリコンビナントタンパクないし合成ペプチドを大量に作成した。 7)これらリコンビナントタンパクないし合成ペプチドをELIZA法、あるいはイムノブロット法の抗原として用い、in vitroで客観的、正確に天疱瘡患者血清中に存在する自己抗体の抗体価を測定する診断法を開発した。 8)大量に作成した病変惹起抗原基を含むリコンビナントタンパクないし合成ペプチドをバキュロバイラス系を用いて作製し,このアフィニティーカラムを用いて、天疱瘡患者血清から病変形成の根本原因である抗表皮細胞間自己抗体のみを選択的に除去しうる、新しい天疱瘡の治療法の開発を試みた。
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