研究課題/領域番号 |
05404041
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
黒川 清 東京大学, 医学部・附属病院, 教授 (30167390)
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研究分担者 |
関 常司 東京大学, 医学部(病), 助手 (30206619)
谷口 茂夫 東京大学, 医学部(病), 助手 (50188380)
中尾 彰秀 東京大学, 医学部(病), 助手 (10159056)
野坂 和男 東京大学, 医学部(病), 助手 (70150274)
渡辺 毅 東京大学, 医学部(病), 助教授 (80158641)
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キーワード | メサンギウム細胞 / 糸球体機能 / クロライド / 高血圧 / インスリン様成長因子(IGF-I) / 尿細管機能 / 尿細管糸状体フィードバック / 副甲状腺関連ペプチド(PTHrP) |
研究概要 |
今回我々が得た知見は以下のとおりである。(1)メサンギウム細胞において細胞外Cl濃度の低下がメサンギウム細胞のプロスタグランディンの産生を増加させる事を従来より我々は報告しているがこの少なくとも一部は細胞からのアラキドン酸放出の増加による事を示唆する成績を得た。(2)メサンギウム細胞の増殖は細胞外Cl濃度を低下させると抑制され、メサンギウム細胞の増殖にもClが重要な働きをしていることが明らかになった。(3)SHRのみならずDahl食塩感受性高血圧ラットメサンギウム細胞においても細胞外Cl濃度を低下させても正常ラット由来のメサンギウム細胞と異なりプロスタグランディンの産生亢進は起こらない。すなわち高血圧ラットにおいてはメサンギウム細胞の制御が正常と異なっていることが明らかになった。メサンギウム細胞は糸球体血行動態の調節に重要な働きをする細胞であるからこのことは高血圧ラットで認められる糸球体血行動態の異常を説明する現象である可能性がある。(4)機械的進展刺激を加えることによりメサンギウム細胞のみならず大動脈においても副甲状腺関連ペプチド(PTHrP)mRNAの発現が増加する。またSHRの大動脈においてもPTHrPmRNAは増加していた。このPTHrPmRNAの増加は血液をコントロールすることにより抑制され、高血圧が直接大動脈に作用してPTHrPmRNAの増加を促すことが明らかになった。(5)近位尿細管のClチャンネルのイオン透過性につき検討を加え少なくとも二種類のタイプのチャンネルの存在が示唆された。(6)近位尿細管のプリン受容体につき解析しP2y受容体の存在を証明した。
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