最初は実験系をウサギで行う予定であったが細胞採取、培養の困難さから実験系をイヌに変更した。イヌの両側頸静脈を採取し、酵素法で内皮細胞、平滑筋細胞を採取した。無菌的操作で培養を続け、75cm^2のフラスコにまで維代培養をすることが出来た。内皮細胞は典型的な敷石状配列を呈し、平滑筋細胞はhill & valleyを示した。 臨床で用いられるヒト臍帯静脈グラフト(Dardik Biograft^<【.encircledR.】>)をアルコール保存液から取り出し、よく洗浄し、その後2週間以上生理的食塩水の中で保存した。周囲のダクロンメッシュを取り外し、コラーゲンのTubeとして実験に供した。 平滑筋細胞をフラスコより集め、細胞浮遊液としてグラフト壁内に注入した。引続き、内皮細胞を集め、同じく細胞浮遊液とした後に、rotation法でグラフト内腔に移植した。現在この生物学的グラフトを経時的に組織学的に検索中である。この段階の後にイヌに移植しIn Vivoの実験を行う予定である。なお、研究の一部はArtificial Organ Todayに投稿中である。
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