研究課題/領域番号 |
05404045
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
阿岸 鉄三 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (70090660)
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研究分担者 |
村上 徹 東京女子医科大学, 医学部, 助手
新開 真人 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (10216210)
船越 陽一 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (20238653)
藤田 省吾 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (70209055)
早坂 勇太郎 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (30120033)
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キーワード | 異種移植 / 自然抗体 / 異種ポリクロナール抗体 / 抗イディオタイプ抗体 |
研究概要 |
一昨年度は、血漿交換・免疫吸着によって異種自然抗体(XNA)除去を試み、異種移植心の生着延長に成功した。昨年度は、XNAに拮抗すると考えられる異種ポリクロナール抗体(XPA)を作製し、異種心移植直前にレシピエントに投与したところ著名な生着延長効果が得られた。本年度は、レシピエントを異種血球で感作し、抗イディオタイプ抗体ができた時点で異種心移植を施行して生着延長効果を検討した。 1.抗イディオタイプ抗体の作製 モルモットの赤血球と白血球を分離して、それぞれ、週一回、計十回ラットに感作した。十分な抗体価をin vitroで確認後レシピエントとして準備した。 2.実験方法 抗イディオタイプ抗体ができたラットにモルモット心を異所性に移植した。拍動する移植心から、経時的に生検を行い、拍動停止時には全摘し、光顕用と免疫組織染色用の病理標本を作製した。また、経時的に採血し、血清補体価を測定した。 3.結果 コントロールでは、異種移植心の平均生着時間は15分であったが、抗イディオタイプ抗体ができたラットでは有意に延長し、最長生着時間は4時間であった。 拍動良好時には血清補体価は正常範囲内であり、病理所見でも、拒絶反応は見られなかった。血管内皮細胞にXNA、補体、フィブンなどの付着はほとんど認められなかった。一方、拍動の停止時には血清補体価は低下し、拒絶反応の所見が見られ、XNA、補体、フィブンなどの付着が広範囲に認められた。 4.考案 抗イディオタイプ抗体はXNAと反応し、XNAと内皮細胞クラス。抗原との反応をブロックし、その結果として補体の活性化、フィブンの付着など、一連の反応が抑制されていると考えられる。また、抗イディオタイプ抗体は、B細胞に働いてXNAの産生を抑制している可能性が示唆された。
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