上行性尿路感染モデルにおける細菌バイオフィルムの意義を検討した。 上記の上行性感染モデルにおいて、あらかじめビーズに大腸菌のバイオフィルムを形成し、バイオフィルム菌の慢性尿路感染症における意義を検討した。即ち、ビーズを大腸菌と培養し、種々のバイオフィルムを作製した。このバイオフィルム形成ビーズをラット膀胱内に挿入し、慢性感染モデルを作製した。この感染モデルにおける腎盂腎炎の慢性化および瘢痕形成のメカニズムを検討した。 その結果、バイオフィルムより供給される浮遊菌は逆行性腎盂腎炎の原因となり得、抗菌剤療法の対象となる。さらに、治療開始の遅延は腎瘢瘍の原因となり、抗酸化剤の併用を要することも明らかにした。
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