研究課題/領域番号 |
05404055
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
広井 正彦 山形大学, 医学部, 教授 (60018364)
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研究分担者 |
手塚 尚広 山形大学, 医学部, 助手 (60261690)
荒木 慶彦 山形大学, 医学部, 助手 (70250933)
平山 寿雄 山形大学, 医学部, 講師 (60238392)
小宮 雄一 山形大学, 医学部, 講師 (70234888)
斉藤 英和 山形大学, 医学部, 助教授 (90125766)
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キーワード | 受精 / 胚発育 / 透明帯 / 卵管分泌性糖蛋白 / 卵の糖代謝 / steroidogenesis / 細胞内カルシウム / アポト-ジス |
研究概要 |
原始卵胞内に存在する卵子が卵胞の発育と共に受精能を獲得し精子と受精し、さらに胚として発育・分化していく過程を明らかにすることは、生命の発生を解きあかす上でも重要である。そこで本年度は以下の点を明らかにしたい。 (1)卵胞の発育とステロイド産生:ステロイドは主として、LH,FSHの作用を受けて卵胞の顆粒膜・莢膜細胞により産生されるが、卵胞内各種ステロイドをダンシル化後高速液体クロストにて同時測定する方法を確立し、大卵胞にとくに estrogen が増加する事を明らかにした。 (2)卵胞を構成する顆粒膜細胞のアポトーシス小体を観察し、卵胞の壁側顆粒膜のアポトーシスは年齢に依存して増加している。 (3)マウスの特異糖蛋白質の CDNA の塩基配列よりマライマ-を合成し、PCRにて genomic DNAを増幅し、その PCRproduct は電気泳動上1本のバンドを認めた。これらの結果、マウスの genomicDNAはエクソンの5倍長のイントロンを持ち、12kb以上である事が推定された。 (4)男性不妊症患者の精子を顕微操作下にてハムスター卵の細胞質内に注入し、培養展開する事により精子染色体の数的・形態的異常を検索する方法を確立し、不妊症群に異常が多くみられた。 (5)マウスの卵細胞を微少培養液にて培養しエネルギー源として glucose代謝を測定すると、卵割球が多くなるにつれて glucose代謝が促進した。また、卵胞を同様に培養し、これにFSHを添加すると卵胞が200μmをこえると有意に glucose代謝が前進した。また、FSHreceptorの mRNAが200μm以上で明らかに検出された。 (6)細胞内カルシウムの変動は受精直後から数時間にわたり起こるが、これは卵の老化や細胞外液のカルシウム濃度に関係する。このカルシウムの変動の意義を形態的に検討中である。
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