研究課題/領域番号 |
05404058
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
粟屋 忍 名古屋大学, 医学部, 教授 (00023755)
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研究分担者 |
廣瀬 浩士 名古屋大学, 医学部, 助手 (20238405)
寺崎 浩子 名古屋大学, 医学部, 講師 (40207478)
堀口 正之 名古屋大学, 医学部, 講師 (70209295)
三宅 養三 名古屋大学, 医学部, 助教授 (30166136)
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キーワード | スキャンブレーザーオフサルモスコープ / 微小視野 / 錐体視物質 / インドシアニングリーン眼底造影 / フルオレッセイン眼底造影 / 回旋斜視 / 多局所網膜電図 |
研究概要 |
平成7年度はScanning Laser Ophthalmoscope (SLO)を用いた機能検査(微小視野、視物質回復測定)、SLOを利用した形態学的検査(ICG,FAGなどの眼底造影と単色光による層別網膜観察)、さらにSLOを用いない機能検査(多局所網膜電図など)を臨床疾患に応用し検討した。その結果は以下の通りである。 1.ICGを用いてStargardt病の脈絡膜の変化を分析し、脈絡膜にかなりの障害があることを報告した。Stargart病に見られるfleckは脈絡膜循環障害の結果であるか原因であるかは今後の検討課題である。 2.黄斑円孔の手術前、手術後に微小視野を施行し、網膜の感度が手術後に回復することを報告した。しかし、局所ERGの回復と比較すると必ずしも視野の回復とERGの回復は一致しておらず、黄斑円孔による網膜障害の病態はかなり複雑であることが分かった。 3.糖尿病性網膜症においてFAG所見で過蛍光のある部分では微小視野の感度が低下するばかりではなく、錐体視物質の再生が延長することが分かった。網膜血管からの漏出は視物質の代謝にも影響を与えることが示唆された。 4.Acute zonal ocuult outer retinopathyにおいてICGとFAGによる眼底造影と多局所ERGを記録したところ、ICGとFAGでは視野欠損部に一致した異常はみられず、脈絡膜や網膜の循環障害は視野欠損の原因ではないことが分かった。また多局所ERGは視野欠損部に一致して振幅の著しい低下が観察され、この疾患に見られる視野異常は網膜性であることが確かめられた。 5.網膜下線虫症においてSLOを用いて眼底をmonitorし、動く線虫を発見し、線虫を光凝固にて焼却したことを報告した。この疾患ではSLOを用いることによって線虫が発見できたばかりでなく、網膜脈絡膜の著しい障害が経時的に観察された。
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