研究課題/領域番号 |
05404069
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
榎本 昭二 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (40013940)
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研究分担者 |
立川 敬子 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (70236537)
鎌田 伸之 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (70242211)
高木 実 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (30014012)
土田 信夫 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (60089951)
室田 誠逸 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (50072989)
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キーワード | Squamous cell carcinoma / cell line. / 血管内皮細胞増殖抑制因子 / p53 / cytocaine |
研究概要 |
扁平上皮癌、横紋筋肉腫、粘表皮腫などの口腔癌由来細胞株の樹立に成功して来た。また、正常口腔粘膜上皮を採取し、in vitroでの培養を確立した。正常細胞株は5〜6代までは充分継代維持可能であった。これらの技術を用いて、同一個体由来の口腔扁平上皮癌細胞株と正常粘膜上皮細胞からRNAを抽出、Differential Display Systemに従い、種々のcDNAフラグメントをシークエンスゲル上に展開した。差異を認めるDNAフラグメントをクローニング、塩基配列等の解析中である。 一方、血管内皮細胞増殖抑制因子の1つに数えられるコンドロモジュリンに着目し、ヒト正常皮膚および正常口腔粘膜について免疫組織化学染色を用い、その発現を検索、確認した。同一個体由来の口腔癌細胞株と培養正常口腔粘膜上皮細胞より全タンパクを抽出し、抗コンドロモジュリン抗体を用いウエスタンブロッティングにて検索したところ、正常細胞に比較して癌細胞では発現の低下が認められた。 また当科で部分精製した培養扁平上皮癌細胞株の産生する血管内皮細胞増殖抑制因子についてはN末端のアミノ酸シークエンスを解析し、既知の物質であるか否かを検討中である。 また癌抑制遺伝子として知られているp53遺伝子産物の口腔癌および前癌病変における発現を免疫染色により検討し、予後との照合を行っている。さらに、低い培養温度で培養すると増殖の停止する口腔癌細胞を見いだし、これがp53遺伝子のバリン138の変異と相関する事を報告した。この際、p53によって誘導されるwaf1遺伝子の発現誘導が見られないことから、今まで報告されているものとは異なる細胞周期調節のカスケードが示唆される。
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