研究課題/領域番号 |
05404076
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
佐々 恭二 京都大学, 防災研究所, 教授 (30086061)
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研究分担者 |
低引 洋隆 広島大学, 工学部, 助教授 (40243589)
末峯 章 京都大学, 防災研究所, 助教授 (00109092)
平原 和朗 京都大学, 防災研究所, 助教授 (40165197)
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キーワード | 地すべり / 斜面崩壊 / 人工衛星測量 / GPS / 災害危険地図 |
研究概要 |
1.GPSレシーバーの主要メーカー2社の製品を借用し、徳島県善徳地すべり地でこれまで3年間GPS測量による地すべり移動観測を行ってきた基線で精度比較のための観測を行った。その結果(1)トプコン社のレシーバーが悪天候時以外では5mm以内の再現性を有し、地すべり移動観測に適していることがわかった。(2)2周波タイプと1周波タイプのレシーバーの比較を行ったところ、精度が良いと言われる2周波より1周波の方が再現性が優れていることがわかった。2周波測量では電離層補正を行うが、10km以上の基線で有効と言われている。地すべり地でのGPS測量基線は1km未満の短基線であり、この場合電離層補正は精度を落とす原因になることがわかった。 2.平成5年10月に中国・西安市の華清池(楊貴妃宮殿)地すべり地に西安市地震局と共同で5点のGPS測量点を新設し、購入したGPSレシーバー3台で第1回目の測量を行った。うち1測線で光波測量も行い精度を評価した。今回行ったGPS測量で、斜距離1.5kmの測線の2回の測量結果は3mm以内の再現性で良好な結果を示した。その後西安市地震局にさらに3点のGPS測点を設けてもらい、2台のGPSレシーバーを用いて1カ月に2回定期的に測量を行った。 3.岡山県・田口地すべり地を試験地として、田口地すべりの末端と上端および周辺の斜面に測点を14点選択し、GPSアンテナ専用杭を製作・設置した。GPS測量を2回行い、2回の間の移動量を測定したところ、地すべり地内の測点は2回の測量の間の3カ月間に5mm程度移動していることがわかり、地すべり地外の測点では移動が認められなかった。平成6年度も継続して観測を行う必要があるが、この地すべり地の末端は年間2cm程度移動していることがわかっており、クリープ的な移動をしているとすれば妥当な結果である。
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