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1994 年度 実績報告書

化学シナプスにおける神経伝達物質放出の調節機構

研究課題

研究課題/領域番号 05404081
研究機関名古屋大学

研究代表者

木島 博正  名古屋大学, 理学部, 教授 (30012397)

研究分担者 飯田 荘象  名古屋大学, 理学部, 助手 (80022664)
鈴木 直哉  名古屋大学, 理学部, 助手 (50222063)
キーワードシナプス前過程 / 神経伝達物質放出 / 細胞内カルシウム / 残存カルシウム / シナプスの可塑性 / 共焦点レーザー顕微鏡 / カルシウムの顕微鏡イメージング / 神経筋接合部
研究概要

前年に引き続きカエルをイセエビの神経接合部シナプスを用いて神経伝達物質放出の調節機構を研究し次のような成果を挙げた。
(1)昨年導入した高速UV共焦点レーザー顕微鏡の性能を向上させ、一画面を8分割して240イメージング/秒のイメージングを可能とした。またトリガー駆動装置を装着して神経刺激の開始をトリガーとして同一刺激パターンのイメージを多数回加算することによってシナプス前末端のCa^<2+>動態のmsオーダーのイメージングが可能となった。
(2)イセエビについては歩脚長節中に存在する薄くて扁平な付属屈筋を取り出して単一神経内に刺入した電極から蛍光色素を注入してシナプス神経末端をメ-ジングすることが可能となった。カエルについては薄い皮膚胸筋(cutanius pectris muscle)の神経断端からデキストランに結合させた蛍光色素を軸索輪送によって神経末端に負荷することができた。現在高速イメージングを行っている。
(3)カエル神経筋シナプスの短期可塑性の一つである速い促通は我々の研究によって残存Ca^<2+>によって起こることが確実となった。この残存Ca^<2+>の活性帯からの除去の機構を速い促通の減衰過程に対するBAPTA負荷、温度、Na^+/Ca^<2+>交換体の阻害剤、カフェイン等の効果を調べて推定した。一方、シナプス前末端に流入したCa^<2+>の拡散のコンピューターシミュレーションを行った。その結果残存Ca^<2+>は主として拡散によって活性帯から除かれることが明らかになった。
(4)トリニトロベンゼン誘導体(HEATNB)は神経刺激に同期したトランスミッター放出(EPPの振巾)を著しく増加させるが、微小終板電位の頻度はほとんど増加しない。この増大はBAPTAの影響を受けないので、Ca^<2+>流入量の変化とは考えられない。従って同期した放出を特異的に増大させることが明らかになった。また、この放出が増大した状態では増進が著しく減少した。従って、増進はTNB誘導体の作用部位と共通の調節機構によって起こることと考えられる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 木島 博正: "Free ion concentrations in receptor lymph and role of transepithelial voltage in the fly labellar taste receptor." J.Comp.Physiol.A. (印刷中).

  • [文献書誌] 木島 祥子: "Time-course curves of enzyme reactions with dilute substrates can be determined from the reverse reactions." Biochem.Biophys.Res.Comm.203. 805-812 (1994)

  • [文献書誌] 後藤 司: "Single K+ channels closed by light and opened by light and opened by cyclic GMP in molluscan extra-ocular photoreceptor cells." Brain Research. 662. 268-272 (1994)

  • [文献書誌] 木島 博正: "Towards molecular biophysics of ion channels." F.J.Sigworth,M.Sokabe & A.Auerbach 印刷中,

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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