研究課題/領域番号 |
05404083
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
杉野 明雄 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (90231737)
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研究分担者 |
真木 智子 大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (60212205)
川崎 泰生 大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (30243257)
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キーワード | 真核細胞染色体DNA複製 / 出芽酵母 / DNAポリメラーゼ / DNAポリメラーゼサブユニット / 細胞周期チェックポイント制御 / Cdc7-Dbf4複合体 / ORC蛋白 / 複製開始部位 |
研究概要 |
1)DNAポリメラーゼII(ε)とIII(δ)と相互作用している蛋白の同定と精製 出芽酵母染色体DNA複製に必須な三種類のDNAポリメラーゼ(I(α)、II(ε)及びIII(δ))のうち、DNAポリメラーゼII(ε)と相互作用している新しい蛋白としてDpb5を同定し、部分精製を行った。この蛋白はDNAポリメラーゼII(ε)のホロ酵素と接合してDNA鎖の3′-OH末端を認識しDNAポリメラーゼの反応を能率良くする働きを持っていることが明らかになった。現在この蛋白を更に精製し、これをコードする遺伝子の単離を行っている。一方、DNAポリメラーゼIIの第二のサブユニットであるDpb2蛋白の温度感受性突然変異を多コピーで抑圧する遺伝子DPB11を同定・単離し、この遺伝子産物が実際DNAポリメラーゼIIと複合体を作ってDNA複製に関与しているが明らかにされた。また、この蛋白は同時に細胞周期のチェックポイント制御機構に直接関与していることが明らかにされた。 一方、DNAポリメラーゼIII(δ)の第三のサブユニットと考えられる分子量約4万の蛋白の存在が明らかになり、現在この蛋白をコードする遺伝子の単離を行っている。 2)染色体DNA複製開始を制御する蛋白因子の同定 出芽酵母染色体DNA複製開始部位に特異的に結合する蛋白複合体としてORCが知られている。このORC蛋白を介して複製開始部位に働いている蛋白として、以前我々が単離していたDbf4が再発見された。このDbf4と相互作用している蛋白としてCdc7protein kinaseの他に、分子量約9万の蛋白を同定した。この蛋白はDbf4-Cdc7蛋白複合体と協同し複製開始を制御していると共に細胞周期チェックポイント制御にも関与していることが示唆された。
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