研究課題
1 昨年度より継続して来たアクチンフィラメントの運動のダイナミックな構造解析をまとめて物理学会で講演した。この一方で、それを学士院紀要に発表した。これはミオシンを塗布したスライドグラス上を運動するアクチンフィラメントの曲率の統計的分布からアクチンフィラメントの動的な物理的構造を決定しようとするものであり、新しい数理学的な方法論の開発を含むものである。アクチンフィラメントの曲率の測定およびデータの統計処理には、科目等覆修生である高校生や教養部学生も参加させ、さらに、新しい数理理論の開発のための討論にも加わらせている。これによって、一定以上のレベルをもつ高校生・教養部生に限れば、新しい数理学の最先端の理解が非常に容易になったと考えられる。2 これも継続的な研究である「ひび割れ」の数理学の完成に向けて、ミルククラウンの形状形成についてのより詳細な実験を行う一方では、ポリカーボネート樹脂などにできる「ひび割れ」の観察を行った。「ひび割れ」の数理学の概要と狙いを説明したうえで、これらの実験設定、データ収集、データ処理なども科目等履修生である高校生や教養部学生に行わせている。その結果、加えるエネルギーと「ひび割れ」の形との間に数理理論から予想される通りの非線形性が見いだされたので、国際高等研における国際研究集会および北海道大学における複雑系のシンポジュームにおいて報告した。この状況を知らせることによって、一定レベル以上の高校生・教養部生に限れば、非常に強い良い刺激を受け、新しい数理理論の研究、実験に一層のドライブがかかるようになった。
すべて その他
すべて 文献書誌 (3件)