研究課題/領域番号 |
05405004
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
四方 義啓 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (50028114)
|
研究分担者 |
松尾 稔 名古屋大学, 工学部, 教授 (40025937)
真継 隆 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (60022456)
御橋 廣眞 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (30022594)
北岡 良之 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (40022686)
|
キーワード | 発生現象 / 生命表解析 / 摩耗現象解析 / なだれ現象 / サンドパイル現象 / ヒステリシス / シルククラウン現象 |
研究概要 |
1多元数理科学の確立に向けて、自然科学・工学のみならず人文・社会系科学との共同研究会を行った。この中には愛知県の企業グループとの研究会、また工学部・経済学部・教育学部や企業研究所などと共催した研究会も含まれる。多元数理科学の確立にはこれら学際的・実質的な共同研究が不可欠である。これら共同研究の結果、本研究グループに持ち込まれた各種の問題をその緊急性、我々グループの研究実験設備および人員などの見地から分類し、戦略を策定した。戦略策定そのものもこの研究の目的の一つであり、このために今年度からマネージングプロフェッサー高橋教授が当研究グループに加わった。 2上記1で策定した戦略にしたがって、今年度は生物学における発生現象を取り扱うことにし、カイワレダイコンの発芽率やイ-ストのザイゴ-ト接合率、さらにはウニの卵割現象などを観察し、これらがすべて負の二項分布によって近似できることを確認した。大阪の古川グループとの共同研究によって、これがさらにヒトの生命表解析およびベアリングの摩耗現象解析に利用できることが見いだされ、雑誌「病態生理」に発表した。 3上記1で策定した戦略にしたがって、なだれ現象やサンドパイル現象など粉体現象の解析を行い、従来は必ずしも明らかでなかったヒステリシスなどその数理を多元数理科学として確立することを試みた。今年度は口頭発表することにし、「形の科学」学会で報告した。 4上記1で策定した戦略にしたがって、これまで続けて来たミルククラウン現象の解析をヒステリシスの立場から解析したものを国際材料工学学会における招待講演で発表した。また、これの図形的なプレゼンテーションを修士課程一年の学生高田に「形の科学」学会で行わせた。この講演を行わせた高田は、多元数理科学研究科において「実験と理論」および「文科系と理科系」、さらには「大学と企業」の総合教育を受けた最初の学生であり、その研究・講演の成功は多元数理科学の研究と教育のあるべき一つの方向を示している。
|