研究概要 |
マダイを7m角の生け簀に1750尾ずつA,Bの2面に収容し,A面にはアナアオサ変異種を表面にポリカルチャー(複合飼育)し,B面には従来通り,そのポリカルチャーを行わず,それら両者のpCO_2(二酸化炭素分圧)とpO_2(酸素分圧)の相対収支を比較した。その結果,アナアオサ変異種とマダイを同生け簀で飼育した場合は,pO_2値が対照区のB面より9%も高い値を示した。一方,pCO_2値は逆にA面はB面よりも4%平均,低い値を示した。 以上の結果,マダイと不稔性アナアオサを複合養殖することによって,環境条件が,好転することが明白となった。 また,ヒラメとアナアオサ変異種のポリカルチャーを室内で試みた結果,ヒラメだけを単独飼育した対照区に比べて,複合飼育区では,アナアオサ変異種によるNH_4-Nの吸収が顕著であり,さらに,溶存酸素の増加,二酸化炭素の減少も明白にあらわれた。 このような結果から,不稔性アナアオサのポリカルチャーにおける生態効能の高いことが明らかになった。
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