研究課題/領域番号 |
05451003
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
K リーゼンフーバー 上智大学, 中世思想研究所, 教授 (60053633)
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研究分担者 |
渡部 菊郎 上智大学, 文学部, 助教授 (30191810)
鈴木 宣明 上智大学, 文学部, 教授 (30053531)
R・L シロニス 上智大学, 文学部, 教授 (60053500)
J フィルハウス 上智大学, 神学部, 教授 (70053501)
大谷 啓治 上智大学, 文学部, 教授 (30053557)
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キーワード | 盛期スコラ学 / 中世末期思想 / ドイツ神秘思想 / アリストテレス受容 / 形而上学 / 新プラトン主義 / 初期ルネサンス / 近世思想 |
研究概要 |
準備研究からすでに明らかなように、13世紀末から14世紀の最初の30年の間、哲学思想において根本的な転換が起こり、それによる思想の方向づけが後の14・15世紀哲学の発展に決定的な影響を及ぼしたので、平成5年度はこの30年間における盛期スコラ学から後期スコラ学への移行を中心に研究を進めてきた。(1)まず4月から6月までの共同研究で研究課題を分節・分配し、特に1280年代から1310年頃にかけての13世紀に由来する諸学派(ボナヴェントゥラ学派、アルベルトゥス学派、トマス学派、アウグスティヌス学派)の形成と主張点、またスコトゥス哲学の登場を吟味した。(2)7月から11月まで各研究者の個別研究に重点を置き、特に以下の問題の解明に努めた。1.アリストテレス哲学に対する批判における新方法と唯名論的認識・存在観、2.新プラトン主義の新たな流入による神秘思想の思弁的展開、3.新しい自然哲学とスコラ学の形而上学の間の緊張による自然観の分裂と自然学的方法の基礎づけ、4.スコラ的学問論をめぐる論争と初期ルネサンスによる古典文献の研究との関係、5.知性論の変遷と、認識論の経験論へ、また超越論哲学への分割。(3)12月から3月まで集中した共同研究を通して14世紀の最初の30年間の哲学的発展の全貌を特に認識論と存在論の相互影響関係という観点から検討し、次年度に向かってその発展の問題点を明確化した。
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