ターミナルケア従事者の教育に関する研究-特にビハ-ラ僧(仏教チャプレン)の養成に関して-

1994 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 05451006
• 研究機関: 佛教大学
• 研究代表者: 水谷 幸正 佛教大学, 文学部, 教授 (60066389)
• 研究分担者: 藤堂 俊英 佛教大学, 文学部, 助教授 (60247799) ; 渡辺 千寿子 佛教大学, 社会学部, 助教授 (70105659) ; 場知賀 礼文 佛教大学, 社会学部, 教授 (80113108) ; 藤本 浄彦 佛教大学, 文学部, 教授 (90090183) ; 小西 輝夫 佛教大学, 教育学部, 教授 (10225469)
• キーワード: 看護 / 仏教 / ビハ-ラ僧 / ターミナルケア / 死 / 死への準備教育 / ホスピス / 人間

研究概要

平成5年度より開設の本学専攻科仏教看護コースの最初の終了生を社会へ送り出した実績に基づいて、本年度は、ビハ-ラ僧(仏教チャプレン)の養成について、より望ましい在り方を具体的に開発した。
先ず、カリキュラムの再編成や教授法の再検討などを課題として、当該コース授業担当者と本研究メンバーとの共同研究発表会を、当該コース学生と一般社会人等に呼びかけて、8回ほど開催した。その実施日時は、次の通りである。第1回5月20日藤本浄彦・江口法子・/第2回6月17日場知賀礼文・田中典彦/第3回7月15日田宮仁/第4回10月21日渡辺千寿子・荻田千栄/第5回11月18日伊藤真宏・金谷光子/第6回12月16日藤堂俊英・村上尚一郎/第7回1月20日藤腹明子・竹内純照/第8回2月17日小西輝夫であった。毎回20名の参加者のもとで、充実した研究発表と問題提起がなされて、当面の課題への方途が明確になった。
次に11月3〜5日に新潟県長岡市で開催された「死の臨床研究会」に本研究メンバー全員で参加し、研究発表会に加わり成果を得た。現状に直面して経験されたり課題として提案される事柄が、切実な問題として共に受けとめられ考察され実践されなければならない。その研究報告も、事後になされて具体的に多くを学んだ。
さらに、前年度に引き続いて、本学四条センターを会場にして、3回シリーズの特別講演総合テーマ「いのちの輝きを!-死の看取り-」を、平成6年1月21日に法医学評論家の上野正彦氏「死体は語る-命の尊厳-」(司会:藤腹明子)、2月4日に葬儀社役員の青木新門氏「『納棺夫日記』を著して」(司会:藤本浄彦)、3月4日に国際日本文化研究センター教授山折哲雄氏「看取りの作法と死の作法」(司会:藤本浄彦)によって開催し、いずれも200名を越える市民が熱心に聴講し質疑応答した。
以上のように、定期的な研究例会、学会参加、そして特別講演会の開催をとおして、極めて密度の高い研究の推進を遂行することができ、当面の課題をほぼ成就しえたと思う。

研究成果

• [文献書誌] 藤本浄彦: "宗教的死生観と“無知の知"について" 佛教大学総合研究所紀要. 創刊号. 8-26 (1994)
• [文献書誌] 藤本浄彦: "浄土宗学研究方法論・私考-特質としての教行性と翻訳性-" 浄土宗学研究. 第20号. 47-64 (1994)
• [文献書誌] 藤本浄彦: "法然浄土教の生命観-“いのち"の教説-" 宗教. 平成6年8月号. 7-13 (1994)
• [文献書誌] 藤本浄彦: "シンポジウム「脳死・臓器移植」を読む" 浄土宗報. 平成6年8,9月号. 18-24 (1994)
• [文献書誌] 藤本浄彦: "本師源空明仏教" 津徳本会月報. 平成7年正月号. 109-130 (1995)
• [文献書誌] 藤本浄彦: "How can Buddhism render Services to the Modern World?" BUDDHISM APPROACH TO THE MATERIAL WORLD. 1-4 (1994)
• [文献書誌] 藤堂俊英: "不苦と遠仁" 鷹陵. 140. 30-33 (1994)
• [文献書誌] 藤堂俊英: "三宝" 鷹陵. 141. (1994)
• [文献書誌] 藤堂俊英: "顛倒(てんどう)" 鷹陵. 144. (1995)
• [文献書誌] 伊藤真宏: "法然上人と臨終行儀" 法然上人研究. 4. (1995)
• [文献書誌] 伊藤真宏: "法然詠出和歌の研究(2)" 印度学仏教学研究. 43-2. (1995)
• [文献書誌] 伊藤真宏: "法然詠出和歌の研究(3)" 仏教論叢. 39. (1995)
• [文献書誌] 伊藤真宏: "浄土宗歌謡史(2)法然詠出和歌について" 仏教論叢. 38. (1994)
• [文献書誌] 藤腹明子: "死から学ぶこと-いつか死を看取る日のための学生心得-" クリニカルスタディ. 15(4). 426-428 (1994)
• [文献書誌] 藤腹明子: "死から学ぶこと-死を向かう人を理解するには-" クリニカルスタディ. 15(5). 426-428 (1994)
• [文献書誌] 藤腹明子: "死から学ぶことーターミナルケアを概念化してみよう-" クリニカルスタディ. 15(6). 682-684 (1994)
• [文献書誌] 藤腹明子: "死から学ぶこと-あらためてターミナルケア本来の意味について-" クリニカルスタディ. 15(7). 774-776 (1994)
• [文献書誌] 藤腹明子: "死から学ぶこと-病名・病状・予後を伝えるというについて-" クリニカルスタディ. 15(8). 866-868 (1994)
• [文献書誌] 藤腹明子: "より日本的なターミナルケアを求めて-ビハ-ラケアとは-" 看護学雑誌. 58(8). 722-728 (1994)
• [文献書誌] 藤腹明子: "死から学ぶこと-実習で学ぶ看取りの基本姿勢・態度-" クリニカルスタディ. 15(9). 958-960 (1994)
• [文献書誌] 藤腹明子: "死から学ぶこと-症みに対する配慮-" クリニカルスタディ. 15(10). 1050-1052 (1994)
• [文献書誌] 藤腹明子: "よりよい看取りのための“DO & DONT"" 月刊ナーシング. 14(11). 76-79 (1994)
• [文献書誌] 藤腹明子: "死から学ぶこと-子どものターミナルケア-" クリニカルスタディ. 15(11). 1050-1052 (1994)
• [文献書誌] 藤腹明子: "死から学ぶことーターミナルケアと生死観-" クリニカルスタディ. 15(12). 46-48 (1994)
• [文献書誌] 藤腹明子: "死から学ぶこと-望ましい臨終・望ましい死-" クリニカルスタディ. 16(1). 46-48 (1995)
• [文献書誌] 藤腹明子: "死から学ぶこと-患者の死後・家族とのかかわり-" クリニカルスタディ. 16(2). 46-48 (1995)
• [文献書誌] 藤腹明子: "死から学ぶこと-死を支える医療チームとしてのかかわり-" クリニカルスタディ. 16(3). 46-48 (1995)
• [文献書誌] 田宮仁: "何かがおかしい、変だーターミナルケアの専門家-" ターミナルケア. 4巻5号. 1-2 (1994)
• [文献書誌] 田宮仁,藤腹明子: "ビハ-ラ・ケアについて(その7)-佛教大学・仏教看護(ビハ-ラ)コース、1年間の評価と課題-" 死の臨床. 24巻2号. 125 (1994)
• [文献書誌] 田宮仁,藤腹明子: "看護教育とターミナルケア教育の狭間で-その1 ターミナルケアにおける共感的まなざしについて-" 死の臨床. 24巻2号. 122 (1994)
• [文献書誌] 田宮仁,藤腹明子: "看護教育とターミナルケア教育の狭間で-その2 ターミナルケア従事者教育を配慮したカリキュラム編成(試案)-" 死の臨床. 24巻2号. 123 (1994)
• [文献書誌] 小西輝夫: "詩人の死に対する態度" 佛教大学総合研究所紀要. 2. 213-230 (1995)
• [文献書誌] 水谷幸正: "仏教を知る-21世紀を生きる人たちのために-" 宗教法人浄土宗, 201 (1994)
• [文献書誌] 藤本浄彦: "南無阿弥陀仏について" 浄土宗, 24 (1994)
• [文献書誌] 藤本浄彦: "ト-ク&ディスカション“東西の死生観"をめぐって" 四恩社, 241 (1995)
• [文献書誌] 藤腹明子: "看助りの心得と作成" 医学書院, 182 (1994)
• [文献書誌] 藤腹明子: "ターミナルケア" 医学書院, 311 (1995)