登校拒否児童生徒を回復させるために、教師や親がどのような人間関係を本人との間で作っていったらよいかという具体的対応技法をマニュアル化することが本研究の目的である。本年度は教師と親が共に利用できる「基本マニュアル」として『ロールアサーショントレーニング実施マニュアル』を完成させた(埼玉大学紀要に掲載)。さらに、(1)学校における教師の対応マニュアル、(2)家庭における父母の対応マニュアル、の原版を試作した。学校における教師の対応マニュアルについては埼玉県内の現職教諭・養護教諭(小学校・中学校・高等学校・養護学校)70名の協力を得て、来談場面を中心に2回の調査と20回のセッションを実施し、課題場面と対応レパートリーを取り出した。父母用のマニュアルについては、東京都内5区・埼玉県南部5市・旭川市・神戸市の登校拒否の子供を持つ父母30名の協力を得て、家庭内での対応調査を2回行ない、その結果から東京周辺の父母からなる10名のグループに12回のセッション実施し課題場面と対応レパートリーを取り出した。マニュアルの作成に当って、パーソナルコンピュータで課題場面のデータベース化を行ない、これを編集ソフトとレーザープリンタで版下化し、マニュアルを作成した。
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