本研究の目的は、登校拒否症状を回復させるための教師および親のスキル訓練法を開発することにある。訓練法を茨木の開発した人間関係開発技法(Role Assertion Training)を基本としている。平成5年度は登校拒否に対する「基本マニュアル」を作成した。平成6年度には学校における教師の対応技法、および家庭のおける親の対応技法を評価する方法を工夫した。 本年度は、カウンセリングなどについて全く知識のない親にも分かりやすい形で指導できる方法を工夫することが大きなねらいであった。 そのため、実際に登校拒否の子どもを持つ親のグループにRole Assertion Trainingを実施し、より適切な訓練法を工夫した。訓練セッションを合計10回行い、毎回いくつかの指標によって経過を評価した。このグループは「学校へ行っていない子どもを持つ親の学級」と命名され、埼玉大学教育文化講座として実施された。 その結果、カウンセリングなどについて全く知識のない親でも、グループ・ワークでRole Assertion Trainingを実施することにより、より適切なかかわりが子どもとの間で経験できるようになることがわかった。 こうした実践の経過を報告書「不登校児童生徒を持つ親のための学級の実践」としてまとめた。
|