仙台市内の信号機のないタイプ交差点3箇所を観察対象とし、交差点でのドライバーの運転行動観察を行ってきた。高齢ドライバーの交差点行動の特性と問題点を把握するためであり、又、世代間のコンフリクト現象の観察を試みるためであった。 具体的観察内容は、(1)運転者の右折時のタイムギャップ測定(対向直進車の速度、年代、性別を同時に記録)(2)右折ドライバーの左右確認の有無、その頻度(3)交通量とタイムギャップの関係(4)交通コンフリクトの内容の4点である。現在、これらの観察結果をもとに分析中である。こりまで得られた主な知見は以下のとおりである。 (1)右折時に見られる運転者行動の特徴の一つとして左右確認行動は、他の年代の運転者と比べると高齢ドライバーは頻度において有意に少ないこと (2)直進車との間のタイムギャップの観点から分析したところ、高齢ドライバーは左方向からの車両とのタイムギャップが他の年代に比べて有意に短いこと (3)6種類の交通コンフリクトのパターンが確認された。高齢ドライバーではその中で、右折動作の遅さによるコンフリクト、左右からの直進車の見落としによると思われる原因のコンフリクト、待たされることによる焦りから来ると思われる不適切な右折敢行によるコンフリクトの3種類が多く認められたこと 以上の3点である。現在、さらに交差点の形状特性などの環境特性や、交通状況の複雑さなど状況変数との関係においてドライバー行動がどのように左右されるかを多変量解析により検討中である。
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