研究概要 |
今回の研究では,これまでコミュニケーションの行為,欲求,場でとらえたコミュニケーションの構造に,人間の社会化の視点を加えて分析を深めた。 分析の結果明らかになった主な点はつぎのとおりである。 1 パーソナル・コミュニケーションの特徴が,人間のトータルのコミュニケーションに直接関係していること,そして,自然や信仰(宗教)とのかかわりが対人コミュニケーションを規定していることが明らかになった。 2 生活体験のタイプは,コミュニケーションの場ときわめて深い関係がある。たとえば,環境充実型は多様なメディア,家族,自然の「場」と対応している。 3 「世間とのつながり」「自己表出」「交流」の質問でとらえられた「場」は,コミュニケーションの構造と深くかかわっている。 4 生活体験のタイプにおける「ウチ-ソト」型が,自己表出のメディア,特に対人関係のあり方と深く関係している。 5 ライフスタイルとコミュニケーション構造との関係をみると,興味深い関係が明らかになった。たとえば私生活型は受け身欲求・映像型と多様活発型に多く,子ども中心型は欲求小・対人コミュニケーション不活発型に多い,等。 なお本作業と併行して川越の産業化に果たした中等実業教育(農業・商業・工業)について研究した。
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